絵に描いた餅

書かなきゃ忘れるオタクの備忘録

ミュージカル「ストーリー・オブ・マイ・ライフ(스토리 오브 마이 라이프)

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気がついたら足を取られていました。

日本でも公演の決まったミュージカル「ストーリー・オブ・マイ・ライフ」

初韓国の友人と一緒だったので観劇を詰め込まず観光もしようね!という予定だったのですが、メンバーが私(オタク)と友人(オタク)の2人のため当日になって「せっかくマチソワキャスト違うし2回観た方が理解深まる気がしない?」となり、初っ端から予定外のマチソワ観劇が決行されました。仁寺洞の観光はいつでもできるけどその日の公演はその日しか観られないのだから仕方がない。

今回の旅はエリザ大好きな友人をうまく丸めこんで来てもらったエリザベートがメインの遠征で、ぶっちゃけこちらははおまけ(というか私から友人への「小劇場もいいぞ!」布教の一環)(決して私がゴリ押しした訳ではない)だったので友人が退屈しないか心配だったんですが、終盤は私を置いて友人の方が号泣してました。

布教大成功で嬉しい限りです。

 

と、ちんたら書いているうちに追いチケしちゃったので以下追記です。

12月の遠征では「友達も喜んでくれたし、面白かったな〜満足!」って感じだったんですが日が経つにつれ「ストーリーオブマイライフってもしかしてめちゃくちゃ切なくない……?」と気がつき(遅い)、居ても立っても居られず追いチケです。こんなことなら最初からマニアカード作っておけばよかった。

 

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【2018.12.16 マチネ】

トーマス:ソン・ウォングン

アルヴィン:イ・チャンヨン

 

まだSOML沼の深さを知らなかったこの時の私は「んじゃ、予習がてら軽く観ておこっか☆」というノリであらすじを流し読みしながら劇場へ、前方席は全て埋まっていたので二階席の端っこを購入。この時点でどんだけ軽い気持ちで行っているかが察されると思います。

初回の感想としては、まあ面白かったけど泣ける訳ではなかったな〜という感じ。ただ、チャンヨンさんとウォングンさんのペアがとても良かったのでソワレで観る本命(この場合友人と話し合いの結果事前に席を購入しておいたという意味)ペアが好きになれなかったらどうしようという謎の心配をしていました(笑)

トムの事が好きで好きで仕方がないことを胸にしまい込んでいるチャンヨンさんのアルヴィンと自信に溢れたウォングンさんのトム。チャンヨンさんが小柄で透き通った歌声なのに対し、The スパダリ(スーパーダーリンの略)なスタイルに低めで穏やかな歌声のウォングンさん。視覚的にも聴覚的にも私の好みドンピシャで、予習を疎かにしていた私は途中までガチでアルヴィンの片想い物語だと思っていました。

両手でトムの胸をぽんぽんとする姿とか(このぽんぽんとされるウォングントムの胸板がぶ厚いのがまた良い)、トムのお腹あたりにぎゅっと抱きつく仕草とか(可愛すぎて隣で友人がものすごい勢いでオペラグラスを上げてた)ビシバシ伝わってくる「好きだけど、言えない」感。

スリルミーやシラノでも思ったのですが、チャンヨンさんはそのキャラクターの情念が透けて見えるような演技が本当に素敵だなぁと思います。初回だったので細かいところまで観られなかったのですが、他アルヴィンに比べて喜怒哀楽がはっきりしている印象でした。

【お葬式潜入】

謎のステップを披露して潜入しにこにこするチャンヨンアルヴィンに、その上をいく華麗なステップを踏んで潜入するウォングントム。

【雪合戦】

一発目から雪玉をトムにクリーンヒットさせるアルヴィン。客席から沸き起こる歓声。

一瞬フリーズした後おもむろに紙を掻き集め固く丸め始めた(しかも特大)トムにアルヴィンも観客も「アッ……」となりました。そこから始まるトムの怒涛の復讐劇は凄まじかったです。

余談ですが、初めて韓国で観たミュージカルがこの2人のスリルミーだったので同じ劇場、同じキャストで違う作品を観ることになるのは個人的に感慨深いものがありました。


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【2018.12.16 ソワレ】

トーマス:カン・ピルソク

アルヴィン:チョン・ドンファ

 

直前に観た「自信に溢れた魅力的なトムと健気なアルヴィン」という組み合わせに胸を撃ち抜かれた私は無駄な心配をしていました。だって、ウォングンさんとピルソクさんって全然タイプが違うじゃん!ウォングンさんは「生まれた時からリチャード役でした」みたいな方ですけどピルソクさんはどうあがいてもネイサン役じゃないですか(突然のスリルミー)

小柄で華奢なドンファアルヴィンに小柄で華奢なピルソクトムという組み合わせに若干の不安を抱いていましたが、観劇後は友人と「やっっっば……」と語彙を失ったオタクの定型会話をしながら帰路につきました。

とりあえずこのペアの幼少時代演技は必見だと思います。可愛過ぎて死ぬ。

そして噂のピルソクさんのナビ!蝶が羽ばたくような柔らかな歌声と引き込まれ具合に「これがナビのプロか!」(ナビのプロとは)となりました。

【お葬式潜入】

おもむろに側転を組み込んでくるドンファアルヴィン。華麗に潜入しにこにことトムを見上げる笑顔が完全に悪魔の笑顔に見えたのは私だけじゃないはず。客席も「エッ、ピルソクさんに側転させるの……?エッ、まじ……?エッ、出来る?大丈夫……?(超失礼)」みたいな空気に。一方のピルソクトム、微笑を浮かべたままたっぷりトムを見つめた後ゆっくりとネクタイを緩め、袖口のボタンを外していました。袖口のボタンを外しながら呆れすぎて二回くらい笑いだしてた。

このネクタイを緩め、袖口のボタンを外す一連の動作、あまりにもどエロくて今だに私の頭の中で繰り返し再生されています。

ちなみにピルソクトムの側転はめちゃめちゃ綺麗に決まっていました。

【雪合戦】

部屋を出た瞬間容赦なく両手の紙の束をアルヴィンの顔に叩きつけてた以外は始終ほのぼのとした雪合戦でした。

マチネと比較してこれが正しい雪合戦の在り方なのだと理解した瞬間でもあります。

 

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【2019.01.16 マチネ】

トーマス:カン・ピルソク

アルヴィン:チョン・ドンファ

 

追いチケその一、前回観劇から丁度1ヶ月ぶりです。1ヶ月の間に、あらすじを詳しく調べたり、OSTを入手していくつか歌詞を訳したりと準備して、「もしかしてこの沼、物凄く深いのでは……?」と薄々気づき始めたころです。

この日はもともと観劇予定ではなかったのですが、公演4日前にあったキャスト変更のお知らせの直後からみるみるチケットが売れていくのを見て「え〜じゃあ買っとく?」となり(流されやすい性格)いそいそと追加しました。結果から言えば行ってて良かった。行っていなかったら今頃後悔してたと思います。まず、ピルソクトムのナビが神がかってる

前回の観劇では、ウォングントムのナビもピルソクトムのナビも全然違うけどどっちも素敵だなという感想(友人はウォングントム派)だったのですが、この回を観てピルソクトムのナビに全て持っていかれました。

ピルソクトムのオンステージ!ここに居る全員を自分のファンにして帰っていただきますという気概を感じる迫力。最初は蝶が羽ばたくように柔らかだったのが次第に力強さを増してきてどこまでも伸びる歌声に、気がついたら観ている側ものめり込んでしまう程でした。

基本小劇場作品(特に二人芝居もの)って曲終わりで拍手することってあまりないと思うんですが、この時は曲が終わった瞬間思わずという風に拍手されている方(恐らく初見っぽい方)が結構いらっしゃいました。一方で私も、私の両隣の方も両手を握りしめて微動だにしていませんでした(笑)

私に何がわかるんだという感じなんですが、12月に比べて格段に深みの増した公演になっていて帰りの(というかソワレの大学路に移動中の)電車の中で興奮しっぱなしでした。

【お葬式潜入】

馬なのか自転車なのか、なんだかよくわからないものに跨って潜入を試みるアルヴィン。ピルソクトムは恐らくバイク?に乗っていました。こんなコメディなピルソクさん初めて見たよ。

【雪合戦】

全く記憶にない(ダメダメ)

 

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【2019.01.19 ソワレ】

トーマス:チョ・ソンユン

アルヴィン:チョン・ウォニョン

 

土日は全く観劇予定を決めていなかったのですが、日に日にSOML沼の深さを実感した私は「ええいっ、こうなったら全キャスト観たろ!!」と父との食事の約束をブッチして(お父さんごめん)18時間ぶりのペガムへ向かいました。

これまた昨日ぶりのチケットボックスのお姉さんに空いてる席を訊くと全然席がない/(^o^)\なってこった!動揺して「ええっ〜〜」と言っていたら同情の眼差しを頂きました(笑)結局二階席の端っこを購入(本当にその辺しか空いていなかった)舞台全体をしっかり観ようと気を取り直しいそいそと座席に向かいました。(だけど結局座席に座って「ガチで遠いな……」と落ち込む)

ウォニョンさんのアルヴィンで1番びっくりしたのは"I Did't See Alvin"で前を向いたままボロボロと泣いていたことです。このシーン、にこにこと父との思い出を語るドンファアルヴィンばかり観ていたので意外すぎて思わずオペラでガン見してしまいました。

ソンユンさんのトムは普段抑えている分、感情が出る時の勢いが激しいトムでした。ガウンを取り返そうとするところとか"I Did't See Alvin"とか。しかし歌が上手い!お初の方だったのですが朗々とした歌声に始終ほえ〜っとなっていました。

ただ、結論から言うとこのペア私にはめちゃめちゃキツかったです。

前日の帰宅時「よぼ〜〜なわっそ〜〜!!!(某ロバで覚えた韓国語)」と超ハイテンションでドアを開けたのに対し、この日は「ガチャ(無言で帰宅)………あ、ただいま………」と帰宅して「昨日と同じ演目観たんだよね?」と父に聞かれる始末。

もちろん、この日の公演は素晴らしいものでした。

あくまで私の感じ方であり好みの話なんですけど、幼くて庇護欲を掻き立てるようなウォニョンアルヴィンと自分のことでいっぱいいっぱいになってしまっていた一般的な感覚を持つソンユントーマスの組み合わせって、なんていうか生々しくて観ていて辛くなってしまうんですよね……。救いようがないというか。

「何があってもトーマスが好き」というのが根底にありながらきちんと自己主張もするチャンヨンアルヴィンや笑顔の向こうで全てを受け入れているようなドンファアルヴィンだとソンユントーマスを受け止めてくれそうに思えますし逆に、自分の世界を生きるピルソクトーマスやカリスマ性のあるウォングントーマスであればただひたすら無垢にトーマスを愛するウォニョンアルヴィンを受け止めくれそうにも思えます(観てないけど)しかし、これがウォニョンアルヴィンとソンユントーマスになるとどうしても、共依存とか共倒れとかそういう言葉がチラついてしまうんです(※個人の感想です)

私はどちらかというと観劇に「綺麗な物語」を求めるタイプの人間なので、アルヴィンが無垢に愛して誇りに思っていたトーマスは(実際はそうでなくとも)彼の手の届かないところにあって欲しいと思ってしまう。手の届かないところにあったからこそ二人の間にすれ違いが起こってしまった物語であってほしいんです。

だけどこのペアはそうじゃないんですよね。トーマスはアルヴィンと同じ場所に立っていて、アルヴィンが傷つくとわかっていながら厳しい選択をしてしまう……。そこがどうしても受け入れられないのが、私がこのペアを「キツい」と感じてしまう理由なのかなと思いました。

そもそもこのペアはこの回しか観られなかったので私がうまく理解できていないだけのような気もするんですよね……。もう一度観られないのが悔しいです。

【お葬式潜入】

謎の三点倒立(?)をキメるウォニョンアルヴィン(超器用!)とアルヴィンの5ランク下くらいの三点倒立(?)をキメるソンユントーマス(可愛い)

単純にウォニョンさんめちゃめちゃ器用だなって思いました。あとアルヴィンのクオリティを下回るトーマス、何気に初めて見たんですけどこれはこれで可愛い。

【雪合戦】

もはや「合戦」と言うには首を傾げるレベルで和やかでした。出だしから紙の束を顔面に叩きつけたりしないし、相手を煽ったりしないし、復讐に燃えたりしない!!すごい!和やか!

 

 

一応全キャストは観ましたが、組み合わせの数だけSOMLの形があるんだろうなと思うと観られなかったペアに対する想いが募ります。あーん、時間とお金のあるオタクだったら全組み合わせを制覇してお気に入りペアをおかわりするのに!!!どうにか喪失感を紛らわそうとプレスコール動画を漁れば「ジョングアルヴィン……」ともはや戻れない過去に胸を焦がし始める始末です。

感傷に浸りつつ2公演分の感想も少しずつ書いているのでそのうちアップ出来ればと思っています。