絵に描いた餅

書かなきゃ忘れるオタクの備忘録

ミュージカル「君のための文字(너를 위한 글자)」感想

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【2019.07.13 ソワレ】

トゥリ: ユン・ソホ

カロリーナ: カン・ヘイン

ドミニコ: ペク・スンリョル
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【2019.08.11 ソワレ】

トゥリ: ユン・ソホ

カロリーナ: カン・ヘイン

ドミニコ: イ・ヨンギュ

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【2019.07.14 マチネ】

トゥリ: ユン・ソホ

カロリーナ: イ・ボムソリ

ドミニコ: エノク

 

ダブルケーさんのところの新作、「君のための文字」を観てきました!

前予習は無し……というか何も決めずに遠征前日に飛行機を取り、仁川からソウルへ向かうバスの中で「とりあえず1作くらい取っておくか」のノリでチケットを取ったので予習する暇もなかったのが実情です。

「最悪ソホさんのお顔を拝んどこ(キャッスルで撃沈したことを引きずる女)」という心持ちで向かったら、予想に反して直球勝負のラブストーリーで心温まる作品でした。

以下、いつもどおり韓国語がさっぱりな人間が書いた感想ということでネタバレ有りですが話半分に読んで頂ければ幸いです。半分くらい嘘だと思うので。

 

登場人物はトゥリ、カロリーナ、ドミニコの3人。公演が発表された時に見かけた「トゥリは発明家でタイプライターを作った人」という情報とインターパークの公演ページ(読めない)を流し見て私はピンときました。これはトゥリの発明の特許を言葉巧みに奪うドミニコとそのショックで病気になったトゥリを健気に支えるカロリーナの話に違いない(どこかで聞いた話)さてはこのドミニコという男、鬼畜眼鏡だな……?と。

 

ドミニコさん、ほんとごめん…

もう、申し訳なさ過ぎてドミニコさんの顔が見られない。正しい3人の関係性はこうです↓

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話はカロリーナがかつて住んでいた家(トゥリのお隣)に引っ越してくるところから始まります。久しぶりに故郷にやってきたカロリーナが出会ったのは、昔赤い屋根の上で語り合い今や有名作家となったドミニコと相変わらず人と関わらないで発明ばかりしているトゥリ。

最初、騒がしいカロリーナが帰ってきたことにイライラしていたトゥリですが、発明したランプをプレゼントした時の彼女の笑顔を見て次第に彼女に惹かれていくようになります。

トゥリとドミニコの幼稚な恋のさや当てが勃発するなか、ここで衝撃の事実が。なんとカロリーナが病気で失明するというのです。

「君の幸せを願う」スタンスのドミニコと「君の笑顔を守りたい」スタンスのトゥリは「君の助けを請うなんて僕の自尊心が傷つくけど…!」と言いながらも協力しカロリーナの為に奔走します。カロリーナの夢であり光は小説を書くこと。視力を失っても文字を書けるようにとトゥリが発明したのが………。

 

 

予想外すぎる直球ラブストーリー。多重人格云々だろうが内在的人格云々だろうがどんと来い!と挑んだら、まさかのわんぽねタイプの作品でした。まあ確かに劇場に入った瞬間から先月の5倍は舞台セットの色彩が豊かだなとは思っていましたけども。

プレビュー期間に観て「私はわんぽねの方が好きだな〜」なんて言っていたんですが、1ヶ月後に観たら楽しすぎて速攻でチケットを増やしました( ˆoˆ )

交差する恋心の切ない部分と楽しく笑える部分のバランスが良く、3人のキャラクターも魅力的!何より曲がむちゃくちゃ良い!

私はキャストの都合上トゥリが世界一可愛いと思っていますが(都合上とは)、キャラクターだけで言えばドミニコさんがとっても好きです。穏やかな紳士でカロリーナをずっと想っているけれど、彼女の幸せを思ってその気持ちを胸に秘めているドミニコさん。「君が望むなら僕は一歩後ろから見守るよ」と言っちゃうドミニコさん。切なすぎる………。

私の好きなドミニコさんの曲がこちら

自分の話を物語として語るロマンチックさが光ります。………が、容赦なく邪魔をしてくるトゥリ。好きな女の子と語り合っているのをこれだけ邪魔されてもブチ切れないドミニコさんが大人の男すぎて涙が出てきます。こんなん、ひとつだけ毒の入ったワイングラスを持ち出してきてトゥリをビビらせても許されるレベルだよ!!!!

この曲でドミニコさんは自分の話を物語になぞらえて話していますが、他にも同じようなシーンがあります。初めて観たときは大分戸惑ったんですが、この作品割と婉曲的な表現で物語が進むんですよね。ストーリーだけ見ればコッテコテの恋愛ものなのに一切相手に「好き」という言葉で好意を伝えない(多分)(私が聞き逃してなければ)ドミニコさんに至っては若い小説家の話を通してカロリーナへの好意を口にします。和歌かよ。

2人とも明確な言葉は口に出しませんが文系のドミニコは物語で、理系のトゥリは発明品でカロリーナへ好意を示すのが良い対比になっていてこれまたきゅんきゅんするのです。

 

 

【8月11日 ソワレ 感想】

ヨンギュさんがどうしても観たくてこの日を選びました。ヨンギュドミニコ超〜〜〜〜可愛いし、ソホトゥリとの息もぴったりで楽しかったです。この作品、大きな事件が起こるわけでもなく穏やかに流れていく時間の中で、3人の関係が少しずつ変わっていく姿が魅力なので俳優さん同士ケミも重要なんだなと。そう考えると前回プレビュー公演を観て「わんぽねの方が好き」と言い切ってしまったのは早計だったと反省しています。

実は、前回トゥリとドミニコがカロリーナを巡り争っていることにいまいちピンとこなかったんです。ドミニコさんがどう見ても近所の優しいお兄さんポジにしか見えなくて……漂う明らかな脈なし感………。その点爽やかでキュートなヨンギュドミニコは良い意味でソホトゥリと対等で、やたらドミニコさんに感情移入して観てしまいましたwそして前回も観たヘインカロリーナ!もう本当に可愛い♡2人の男に言い寄られながらもにこにこしてるカロリーナちゃん、下手すると「嫌な女」になりかねない役所ですが、ヘインカロリーナは圧倒的可愛さで「こんだけ可愛いんじゃ仕方ないよね」と納得させてくれます。なんていうか、女の子の夢が詰まってるんですよね。可愛くて可憐で優しいのに、悪意なく男の子を振り回しちゃってそれが許されちゃう。私はヘインカロリーナのことを陰で(?)「南ちゃん」と呼んでいます。

トゥリとドミニコの恋のさや当て模様ですが、この日のソホトゥリ全体的に子供っぽかった気がします。頰を膨らませたり(可愛い)、ドミニコに言い負かされて涙を拭いながら走り去ったり……(超可愛い)あと恋のさや当て決戦のサビである" 네가 행복할 수 있다면 "ですが、ヨンギュさんとソホさんの組み合わせ、2匹の子犬がきゃんきゃんしているみたいで可愛すぎました。椅子争奪戦でトゥリに突き飛ばされたドミニコさんがガチで吹っ飛んだり、その後取り返した椅子を断固として譲らないドミニコVS空気椅子で応戦するトゥリだったり。階段を登るカロリーナを追いかけたヨンギュドミニコが、振り返ってトゥリにべっと舌を出しているのが可愛すぎて昇天しかけたんですが、そのあと同じ場所で誰もいない空間に向かってべっと悔し紛れに舌を出すソホトゥリが可愛すぎて無事昇天しました。

 

【2019.08.14 マチネ 感想】

11日が楽しかったので急遽追加した日です。やたらチケットが売れてたし劇場内も混んでるなと思ったらイベントデーだったみたいでポラが貰えました。最初、ポラより動画撮れるやつのが良かったな〜とか思っていたんですが貰ったポラを見るとトゥリだったので秒速で手のひらを返しました。可愛いは正義。

正直、エノクさんのドミニコってどうなんだろう……ソホさんとも結構歳が離れてるし、また近所のお兄さんポジにしか見えなかったらどうしよう……と不安があったんですが完全に杞憂でした!エノクドミニコ、ダンディーで紳士なのにとっても可愛いんです!!ダンディーと可愛いを両立させるなんて可能だったんですね。勉強になりました。対カロリーナのときは絵に描いたような紳士っぷりに優しい瞳でカロリーナを見つめるエノクドミニコ。ドミニコの曲の

転ばないように 

手を握ってあげたかったけど 

寂しくないように

一緒に歩いて行きたかったけど 

という歌詞に圧倒的説得力を持たせてきます。そんな紳士でダンディーなエノクドミニコですがトゥリが現れるや否や一転します。さっきまでの紳士さはどこに捨ててきたんだ!と問い詰めたいほどの子供っぽさでトゥリと張り合ってきます。11日の椅子取り合戦で断固として椅子を譲らなかったヨンギュドミニコが印象に残っていたんですが、エノクドミニコはトゥリの場所を半分空けて座ってあげてました。しかも隣に座ったトゥリの肩に腕を回すドミニコさん。優しい!流石紳士!と思って見ていたらカロリーナが後ろを向いた瞬間その腕でヘッドロックをキメていました。ウケるwwwカテコ後も、今まで観た2回はレディーファーストでカロリーナを通した後、トゥリとドミニコがお互い先を譲りあって最終的に2人仲良くはけていっていたんですが、この回は先に出たドミニコが容赦なく扉を閉めてトゥリを閉じ込めていて笑いました。まさかの事態に笑いながら机の上の金槌を掴んでドミニコを追いかけていったトゥリにも笑った。トゥリ相手には中学生レベルの恋のさや当てを展開しちゃうエノクドミニコ、「優しい大人の男性」というドミニコのキャラを保ちつつ恋愛部分ではトゥリと対等に見えちゃうのが本当に凄いなと思います。(対等に見えないと一気に3人の関係のバランスが崩れちゃってお話の魅力が半減しちゃうと思うんですよね……)ところでこの2人対等っちゃ対等だったんですが、どこのシーンだったかドミニコに「ヴーーッ」と威嚇(?)していたトゥリ、エノクドミニコ(デカい)相手だと大型犬に強がって吠えてるポメラニアンのような風情が漂っていて最高に可愛かったです(トゥリが可愛かった話がしたいだけ)

この回で初めてヘインカロリーナ以外を観たんですが、ボムソリカロリーナもとっても良かったです。カロリーナってみんな南ちゃんタイプかと思いきや、演じる俳優さんによって違うんですね。この回は穏やかなお姉さん風のカロリーナに見えました。

ボムソリカロリーナはなんといっても目が見えなくなってからが凄く良くて………。彼女が1人暗闇にいることが立ち姿からも伝わってくるんです。あんなに明るくてにこにこしていた子が………とトゥリやドミニコじゃなくても胸が苦しくなりました。そしてトゥリがタイプライターを持ってくるシーンがもう本当に泣ける!!「ジャーン」とタイプライターを見せるも何も見えないカロリーナは両手を膝に置いたまま困ったように固まっていて……。この時の間がもう泣くしかない。トゥリの「なんで何も言わないんだろう」→「そうか目が見えないのか」と気づいた時の悲しみと、カロリーナの「トゥリが自分の為に何かしてくれたことはわかるのにそれが何なのか全くわからない」→「何か言わないといけないのに…」と思うもどうすることもできない悲しみがまとめて観客に襲ってきます。もう泣くしかない(2回目)

その後トゥリに導かれて、トゥリが自分の為に持って来てくれたものがどんなものかわかったカロリーナが泣きながら微笑むのが………(泣)ここが自宅だったらエンダァァァァァァ!!と叫んでいました。

 

 

あと何回は観たかったんですが、気がつけばもうマッコン………。実はサンユンドミニコの日のチケットも取っていたんですが、下関発釜山行きの船に乗る誘惑に負けてキャンセルしちゃったんですよね(これは向かいの劇場に行ったという意味の比喩ではない)今思えばサンユンドミニコも観ておきたかったと後悔しきりです。

この作品、個人的には後からじわじわくるタイプだったな〜と思います。穏やかだけど胸が暖かくなるストーリー、素敵な俳優陣、耳に残る楽曲、私の周りではあまり話を聞かないんですが大好きな作品となりました。もう終わってしまうのは悲しいですが、どこかのワンスアポンアタイムイン海雲台とかいう作品と違いOSTが発売されているので元気を出していきたいと思います。