絵に描いた餅

書かなきゃ忘れるオタクの備忘録

8月観劇 ①

 

一晩過ぎるごとに記憶は半分ずつ消えていく、そんな話を聞いて恐ろしくなったのと、引っ越した為土日に遠征して観劇、というよりも長めの休暇の度にまとめて観劇するスタイルに変わったので、今後は簡単にでも観劇記録を残していくようにしたいと思います。

ところで、近隣の空港(電車で2時間)の仁川便が週6就航→週3就航になりました。即ち死です。

 

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ミュージカル「リトルジャック」 8月8日 ソワレ

ジャック: パク・ギュウォン

ジュリー: キム・ヨジン

 

前回の公演に行かなかったことを後悔していたリトルジャックに、最終陳述で素敵だったギュウォンさんが出るということで行くしかないよね!とTOM2館デビューしてきました。てっきり2館って上階かと思ってたんですが1館の更に地下なんですね。そしてキャストボードが階段の途中に/(^o^)\すっかり撮り逃して帰り際に撮った私は上手く撮れませんでした(上写真参照)

滞在期間中ギュウォンさんの回は2回のみ、そのうち1回はイベントデーで完売していたのでこの日をチョイス。開演きっかり1時間前にチケットボックスに行ったら「この席ね」と問答無用で最後列のチケットを渡されましたw「嘘やんもっと良い席空いとるんとちゃうの」と半信半疑でしたが実際に座席に座ったらジャックのマイクの真ん前(つまりはドセン)だったのでギュウォンジャックを満喫しに来た私には最高の席でした。お姉さん疑ってごめん……。センターブロックは満席で、サイドブロックは本当に端の方しか空いて居なかったので、残ってる席で1番良い席回してくれたんだと思います。重ね重ねお姉さんには謝罪したい。

お話は私の大好きな切ない恋愛もので7割くらいがジャックのお喋りと歌だったので、作品自体もお目当てのギュウォンさんも満喫できてとっても楽しかったです。ただ私の語学力がお粗末故にちょいちょい時系列?というか時間の流れが理解できなかったのが悲しい……。日本語の字幕サービスもあるそうなので余裕のある方は利用してみるのも良いかもしれません。ちなみに私は字幕サービスの存在を開演70分前に知りました(サービスを利用したい方は前日までには公式さんにメールをする必要があるみたいです)

ところで当日券限界オタクの私は、視野制限席(最終陳述)や開演5分前に駆け込みで買った超後方席(フィクション)でしかギュウォンさんを拝見したことがなく、なんと初めて間近(と言ってもF列)で拝見するギュウォンさんに「この人本当にギュウォンさんなのかな……?突然のキャスト変更とかあってないよな?キャスボ確認せずに席に着いたからわからん/(^o^)\」となってました(最低)ほら、グレイ先生もガリレオもふわふわフェアリーな出で立ちだったのでその印象が強かったんです、言い訳にしかならないですけど!

でもジャックが歌い始めた途端「この歌声はギュウォンさん!」って安心したので許して欲しい(^ω^)ギュウォンさんのふわふわで甘い綿菓子みたいな歌声で高音を難なく歌いこなしちゃうところが大好きです。そして中盤ジャックが諦めたような儚い笑みを浮かべたところで「これがギュウォンさんじゃなかったら誰やねん」と自分で自分に突っ込みました。この儚さMAXの笑み、最終陳述とフィクションで私がメロメロになったやつ。リトルジャックでは今まで観た作品では観られなかった恋にウキウキなギュウォンさんも観られたのが楽しかったです。特に素敵だったのが、ジュリーを見つめながら歌うシーン。視線や歌声からジュリーに対する恋しさが苦しいほど伝わってくるんです。最終陳述の感想でも書いたと思うんですが、静の演技といいますか醸し出す空気感が本当に魅力的な俳優さんだなと思います。そしてもちろん歌もお上手でご本人の雰囲気にぴったり合う歌声という……はーーー、大学路の人材豊富さはやばい(やばい)できれば次は180度違う役柄でのギュウォンさんが観てみたいなとも思います。悪役とか観て観たい!

カテコは6時退勤ことよそっしぶりのライブ形式のやつでした。開演前に「싱어론콘서트」の日が完売しているという話をしながら「みんな一緒に歌いたいんですかね〜〜」と笑ってたんですがなんでもない日でも一緒に歌ってるやんけ!!!あまりにもついていけなかったので今後のために("今後"があるのかは謎)いそいそとOSTを購入し帰宅しました。ちなみに推し曲は「Simple」です。

 


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演劇「R&J」 8月10日 マチネ

学生1: チ・イルジュ

学生2: カン・ヨンソク

学生3: ソン・ユドン

学生4: ソン・グァンイル

 

前回の遠征時、ロッキーホラーショーの開演時間を1時間間違えるという痛恨のミスを犯し「今からでも開演に間に合う作品はどれだ!」となって決めたのがこの作品だったのですが、とっても好みの作品だったので今回の遠征で学生2のキャストだけでもコンプしようとチョイスしました。

開演70分前に劇場に着いたんですが、既に当日券に10人ほど並んでいて私の番が回ってきた頃には碌な席が残っていなかったので諦めて下手S席を学割で買いました。多分、この日からOST割が始まった影響かと思います。

顔と名前が一致するのがユドンさんのみで正直不安だったのですが、この公演むちゃくちゃ良かったです。あまりにも良くてソワレに行くつもりだったシラノを見送りました。シラノ大好きだし、ジェウンさんだし観ちゃったらこの余韻が薄れちゃうな〜と。R&Jって圧倒的に余韻に浸りたいタイプの作品じゃないですか。

で、何が良かったかと言えばそりゃ全体的にとても良かったんですが何より学生2役のカン・ヨンソクさんに心奪われました。特に二幕からのジュリエットが非常に良くて……。ジュリエットを通し、ロミオを愛した故に心を引き裂かれるような悲しみ(苦しみ?)を知った学生2の演技が観ている方も辛くなるほど切実で……。ヨンソクジュリエットもぼろぼろ泣くし、客席もぼろぼろ泣くしで初めて「R&Jってこんなに泣かされる作品だったのか」と知りました。あと、ジュリエットが毒を煽る一連のシーンがあまりにも静謐で美しく今でも脳裏に焼き付いています。

「R&Jって具体的に何が良かったんですか?」と聞かれて「………………台詞が良く理解出来ていないので上手く言えないんですがとにかく良かったです!」としか言えなかった私ですが、帰国して3日(今現在)既にR&Jが観られないことに胸が苦しくなっているので後々感想をまとめられたらと思っています。

 

 

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演劇「R&J」 8月11日 マチネ

学生1: キ・セジュン

学生2: ソン・スンアン

学生3: カン・ギドゥン

学生4: ソン・グァンイル

 

遅くなっちゃったなと思いながら前日と同じくらいの時間にチケットボックスに行ったら当日券一番乗りでしたw昨日の行列はなんやったんや……。前日は下手S席だったので上手寄りの高めの位置の席が欲しいなと思っていたらちょうど後方センターあたりのステージシートがあったのでそこに。学生2と初夜のシーンが良く観える場所が良かったのでラッキーでした。

スンアンさんの学生2は「わかりやすい」という印象が強かったです。彼の仕草や表情を見ていれば多少言葉がわからなくとも学生2の感情がわかるというか………。バルコニーのシーンで「ロミオ………」と呟いてそっと唇に触れた後、両手の平でこめかみを押さえていた姿が印象的でした。あと儚げ美少年オーラが凄い。

この回で面白かったのがギドゥンさんとグァンイルさんのシンクロ具合です。最初はお2人とも立ち姿似てるよな〜くらいに思っていたんですが、乳母とジュリエットの母親の掛け合いシーンのシンクロ具合が「不思議の国のアリス」のトゥイードル・ディーとトゥイードル・ダムでした。ジュリエットはアリス。走り方のシンクロ具合とかが半端ないwwwここ、あともう一回は観ておきたい組み合わせです。

 

 

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ミュージカル「君のための文字」 8月11日 ソワレ

トゥリ: ユン・ソホ

ドミニコ: イ・ヨンギュ

カロリーナ: カン・ヘイン

 

プレビュー期間に1度観て、「面白いし、曲も良いけど私はわんぽねの方が好きかな」などと各所で言っていたんですが、たまたま空いている枠にソホさんとヨンギュさんの組み合わせがあったので行ってきました。ヨンギュさん、インタビューのシンクレアを演っていた時からずーーーーっと拝見したかったのですがなかなかタイミングが合わず今回やっと!!

まあ、キャストは好きだし曲も良かったし軽く楽しめれば良いかな☆くらいのテンションで行ったら前回の50倍くらい楽しめました。これはもう、わんぽねと同じくらい好き!

ソホさんとヨンギュさんのケミはめちゃめちゃに良いしヘインさんはカロリーナに納得の可愛さだし、この公演を観てこの作品はキャスト同士のケミも重要だなと感じました。その点を踏まえると、数ヶ月前まで同じ場所であっていた惨劇を共にしたキャストの組み合わせは強いのかもしれません。この作品もできれば別で詳しい感想が書ければと思ってます。

 

 

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ミュージカル「死の賛美」 8月13日 ソワレ

キム・ウジン: チョン・ムンソン

アン・シムドク: チェ・スジン

サネ: ジョンミン

 

今期初の死の賛美です。2017年の公演時には私が韓ミュ初心者なのもあって「おもろいのはわかるし曲も好きだけどぶっちゃけよくわからん/(^o^)\」という感想だったんですが、今回想像以上に楽しくてあっという間に終わってましたwスジンシムドクもジョンミンサネも観たことがあったのでムンソンウジンを楽しみにしていたんですが、期待値爆上げで観てもそれを上回ってくるウジン………。すごい。病的とは聞いていたんですがシムドクの首を絞め始めたのにはぶったまげました。スジンシムドクは可憐で可愛い。ジョンミンサネはやっぱり謎の男感が強かったです。闇に潜む影みたいな……?アドリブでいうと、ビールを持ってきたサネを詰るように胸をど突いたウジンが強すぎたと反省したのか、その少しあと申し訳なさそうに同じ場所を撫でていて笑いました。

あと何回かは観るつもりなので死の賛美も別で感想が書けたらいいな〜とは思ってます。ちなみに2017年公演の感想はまだ書きかけです/(^o^)\

 


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ミュージカル「君のための文字」 8月14日 マチネ

トゥリ: ユン・ソホ

ドミニコ: エノク

カロリーナ: イ・ボムソリ

 

前回の観劇から数日後、気がついたら増えてました/(^o^)\

ただ前観た時はヨンギュドミニコの、フレッシュさとかソホトゥリと同じ土俵感が良かっただけにエノクさんとはどうなんだろう?ソホさんと結構歳も離れてるよね………?と若干不安があったんですが……完全に杞憂でした!

エノクさんがこんなにかっこよくて、こんなに可愛いなんて!!!紳士でダンディーなのに恋のさや当てではトゥリと同レベル(かそれ以下)なエノクドミニコ。この紳士っぷりと子供っぽさの塩梅が絶妙で、トゥリとのバランスも良くとっても楽しめました。このさじ加減が完璧なエノクさん本当に凄い。

そしてボムソリさんのカロリーナもとっても良かったんです。ボムソリカロリーナ、目が悪くなってからの演技が本当に良く、泣かせにかかってきます。 ヘインカロリーナとボムソリカロリーナ、違った魅力があったのでまたまとめたいです。

 

前半は以上です!

 

 

 

ミュージカル「最終陳述(최후진술)」感想

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【2019.05.05 マチネ】 

ガリレオ: コ・ユジン

シェイクスピア: チェ・ミンウ


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【2019.05.05 ソワレ】

ガリレオ: パク・ギュウォン

シェイクスピア: ユ・ソンジェ

 

日本でも公演が行われていた最終陳述を観てきました!!

なんていうか、もう、

私が求めていたものがここにあった

って感じです。

日本でミュージカルを観ることはもちろん大好きなんですが、大学路でしか観られないものがあるからこそ私はいそいそと国境を越えて劇場へ赴くのだと改めて痛感しました。

大学路オリジナル作品ってなんでこんなにもエモいと言いますか性癖を抉ってくると言いますかこう………心に刺さってくる感じなんですかね……(しみじみ)

 

今回キャスティングされている俳優さんを殆ど存じ上げない中でなぜこの作品を観ることにしたかといえば、先日の日本公演を観ていたので1回くらい本国の公演も観ておこうという気持ちからです。場所も(劇場と劇場間の)移動が楽なデミョン改めyes24 stageですし。

日本公演を一緒に観劇した母を誘うと快くOKをくれたので2人でキャスト写真を見比べて都合がつく日程で観劇日をチョイス。キャッスルを観に行ったついでに買っておいたOSTを家でガンガン流しながら観劇に挑………む予定だったんですが前日の深夜になんとなくチケットサイトを開いたら行く予定の回が全て完売してました。

嘘やろ………?

だって殆どの公演は残席にかなりの余裕があるんですよ……?

信じられなさすぎて3度見したうえ5回くらいリロードしましたが雪原は幻じゃなかった。

どうしたらいいか分からずとりあえずツイッターで嘆いてみるも現実は変わらず(そりゃそうだ)諦めてキャストスケジュールをチェックし特定のキャスト組み合わせの日だけ完売していることを突き止めました。

これは知ってる!スリルミーで見たやつだ!(進研ゼミ状態)

公演日前日深夜(というか日付的には公演日)にチケット完売という事実に打ちひしがれる日がくるとは……。

まあ、ソワレが完売ならマチネに行けばいいし………(震え声)と自分を慰めつつ泣く泣く布団に潜りこみました。その日はショック過ぎてよく眠れませんでした。

 

【マチネ感想】

出だしの曲が大好きなんですが、始まった瞬間めっちゃ歌上手いやん!!となりました。始まりのユジンガリレオは真面目?というかちょっと堅物な印象なのにシェイクスピアに出会ってからはくるくると振り回されちゃう姿が魅力的なんです。マリアチェレステあたりの重めの曲が似合うタイプかなと思わせておいて、フレディを徐に歌い始めるとめちゃめちゃ似合うし、안녕? 내 사랑の後選ばれなかったガリレオが"シューン"という謎の擬音と共に崩れ落ちる姿は可愛いしで大満足なガリレオでした。

全く存じあげない俳優さんだったんですが、後日よそっしカテコ動画漁りに勤しんでいると見覚えのあるお顔が………。

ユジンさんボゴくん演っとったんかーーい!!

勝手なこと言っちゃいますけど、ガリレオも素敵でしたがボゴくんの方が俄然気になる。(よそっし再演待ってます。出来るだけキャス変はしない感じでおなしゃす!!)

話を戻しましてミヌシェイクスピアの感想です。ミヌさんめちゃめちゃダンス上手くないですか……?そして表情がくるくる変わる。なんていうかアイドルみを感じる。というかアイドルだよ、って言われたら普通に信じる。

彼(この場合シェイクスピアを含めたミヌさんの演じるキャラたち)の魅力は「言葉じゃない、感じろ」って感じの魅力でした。観たらわかるんですよ!!!理屈じゃない魅力!!!

仕草がいちいち大げさなんですがどこか憎めない雰囲気があって一度話したら誰でも好きになっちゃうタイプのシェイクスピアでした。

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【日本版と比べて】

(日本版は私の観劇した回のみを参考にしています。別回、別キャストでは違ったかもしれません)

以下非常に主観的かつ感情的な文章なので閲覧注意でお願いします。

韓国での公演を観終わった後の率直な感想が「同じ作品なのにこんなに変わるのか……」です。なんていうか、オリジナル版と日本版とでニュアンスが全く違うんですよね。「何が違う」と具体的に言えないんですが、同じ演目を観ているはずなのに胸のときめきの度合いが全く違う。もちろん何にときめくかは個人の好みもあるとはわかっています。しかしオリジナル版も日本版も全く知らない俳優さんでの観劇という同じ条件贔屓目なしで観ても私はオリジナル版の方に圧倒的にときめきました。この微妙なニュアンスの差は日本に輸入する際意図的に変えたのかそれとも結果的に変わったのか気になるところです。

思い返してみると日本版とオリジナル版で決定的に違ったことに観客の年齢層がありました。日本版は平均50〜60代かなという感じに対し、オリジナルは平均20〜30代かなという感じ。日本版はあくまで私が観劇した回のみしかわかりませんがオリジナルはどのキャストの回も年齢層に大きな差はなかったと思います。(遠征中毎日yes24 stageに居た女)ターゲットになる年齢層が違うからあえて日本版とオリジナルで微妙にニュアンス(この場合作品全体の雰囲気のこと)が変えられていて、だからこそ私はオリジナルにときめいたのだと考えるとなるほど良く出来ているなあと思うんですが……どうなんでしょう。

ところで、日本版とオリジナル版を見比べて悲しかったのが日本版はキャストのファンの為の公演なんだろうな……と感じてしまったことです。大学路の小劇場作品という日本ではまだまだマイナーなものを日本で観劇できたことは本当に嬉しかったですし感謝しています。オリジナル版と劇場のキャパが違う中素敵なセットや演出がされていたことにも感動しました。マルチマン役の方の熱演も素敵でした。ただ私の観た回は恐らく客席の殆どがガリレオ役のファンの方だったようで、日本の劇場でも韓国の劇場でも感じたことのない異様な空気感で肩身が狭かったです。あれだけ狭い劇場だと自分の推しへアピールしたくなってしまうんですかね……?劇中なんてことないシーンで大声で相槌を打ったり、わざとらしい笑い声をあげたり、「私、泣いてます!」という風に盛大にズビズビしたり……「日本の小劇場ではこれが普通」と言われればそれまでですがただ作品観に来た客としては集中出来ず苦痛でした。本当にあんな空気感の劇場初めて行った。

今回オリジナル版を観るにあたり母を誘ったところ、まず「ガリレオ役の人が歌も演技も上手くて劇場の雰囲気がヤバくない日なら……」と言われました。つまりそういうことです。

そしてオリジナル版を観た時に、開演した瞬間「良かったーガリレオの歌が上手いぞ!」と思ってしまった自分にも、劇場を出た瞬間真っ先に「ガリレオの人、歌も演技も良かったね!」と言ってきた母にも笑ってしまいました。どんだけトラウマなんだよ。

私が観た回だけたまたまああだった可能性も十分あるのですが作品や演出はとても良かった分その点だけ残念です。

 

【ソワレ感想】

あれだけチケットが完売してたと騒いでおいてソワレ観たんかい!と突っ込まれそうですが、結論から言いますと観ました。

マチネ観劇後「ギュウォンさんのガリレオが観たい。絶対ヤバいやつやん………なんでチケットないの………?」とうわ言のように繰り返していたところ『劇場保有席と視野制限席の販売するで〜(意訳)』との御触れが公式様からなされていました。私が気づく30分も前に。

広蔵市場で呑気に腹ごしらえをしていた私は、食べかけのユッケ丼を泣く泣く置いて大学路へダッシュしました。「もう売り切れてるんじゃない?」と言いつつ一緒に1号線と4号線の乗り換え経路をダッシュしてくれる母(優しい)に「それだったらキャッスル観るから大丈夫」と何が大丈夫なのかよくわからないことを言いながらなんとかチケット窓口まで辿り着き無事購入にこぎつけました。

確か17:20分頃に劇場に着いたんですが、残席は視野制限席が2席(上手前方端と上手後方センター)で迷った末に後方センターを選択。「視野制限」と言いながら観えないシーンは殆どありませんでした。ミルトンとのシーンと"안녕 내 사랑?"のシーンの一部のみかな?で計5分もなかったと思います。

一応視野制限席チャレンジをされる方(居るのか……?)の参考になるようにどんな感じかわかる動画をはっておきます。

↑下手側が若干見切れてます

こうしてなんとか観劇が叶ったギュウォンガリレオ・ソンジェシェイクスピアですが観られて良かった…(泣)こんなものが1000円台で観れる世界に万歳!!!(視野制限席なので20000wだった)特にギュウォンガリレオが今遠征1番の心にどストレートヒットのガリレオでした。

私が大学路に感じる魅力の1つとして「演技も歌も一定レベル以上の中から、あとは好みで役者を選べる」という点があるのですが、ギュウォンガリレオはまさに好みど真ん中、性癖どストレートヒットみたいな………。

↑0:25の笑い方なんてド好みすぎてヤバい(重症)

偶然にも前日別の方目当てで観に行ったフィクションに出られているのを観たんですが、その時「地に足はついているのにどこか浮世離れした雰囲気が素敵な方だな〜」と思っていたんです。マチネを観て、この空気感であのギュウォンさんがガリレオ演じたらかなり好みなのでは……?とドキドキしていたんですがはい、このとおりです。

ギュウォンさんのガリレオ、地に足はついているのにどこか浮世離れした雰囲気を纏っているためにガリレオの繊細さや孤独が際立って見えるように感じました。あとたいして他人に興味が無さそうなのが良い。シェイクスピアに名前を聞かれても素っ気なくはないけど( ˙-˙ )スンッとした感じで答えている。相手がシェイクスピアとわかった瞬間の手のひら返しが凄いけどwそんなガリレオだからこそ、彼が切々と歌う人物達がいかに大切で彼の心を占めていたのかが映えていて好きです。マリアチェレステ然りブルーノ然り。

厭世的な気配さえ漂わせていたギュウォンガリレオが、シェイクスピア相手には生き生きと全力でぶつかって行く姿に「最後にシェイクスピアと出会えてよかったね(泣)」と思わせられちゃう公演でした。

この回お相手ののソンジェシェイクスピア、マチネのミヌさんとはまた違うシェイクスピアで素敵でしたーーーー!!複数キャスト公演はこれだから楽しい。

ソンジェシェイクスピア、歌声も演技も安定していて常にどっしり構えてる印象のシェイクスピアなんです。

だから、まさにガリレオを導いてくれる役どころという感じで、ちょっと厭世的で浮世離れしたギュウォンガリレオとめちゃめちゃ相性良くない?!?!?!と思いました。ガリレオのことしっかり受け止めてくれそう………。他キャストとの組み合わせを観ていないからよくわからんけど。

ソンジェさんで印象に残ってるのが、ガリレオが座る席を唾吹きかけまくって拭いていたプトレマイオスですw嫌がるガリレオの前で容赦なく唾を吹きかけるプトレマイオスにめちゃめちゃ嫌がりながら座るも座ってからもお尻の下を気にし続けるガリレオが面白すぎました。

前夜は失意のどん底にいましたが、どうにか観ることができて良かったです。

今回の教訓▶︎当日券で行くつもりの公演はきちんと残席状況をチェックしておこう。

 

〈おまけ〉

人間というのは欲深いもので、昼は「ギュウォンガリレオさえ観られれば……」などと思っていたくせに夜には「ギュウォンガリレオとミヌシェイクスピアの組み合わせが観たい!」などと思うようになっていました。だって気になりません?飄々としたギュウォンガリレオとヤッホーヒャッホーウェーイなミヌシェイクスピアの組み合わせがどうなるか。

しかし帰宅してから情報を集めたところ、

  • 公演期間残り約1ヶ月の間にこの組み合わせ回は2回
  • 2回とも全席完売☆
  • そもそも2回とも私生活を犠牲にしなければ遠征できない日程(^ω^)

という絶望的な状況を把握。

結局、どうしても諦めきれない私は母にチケット(これは私の寝不足と引き換えに手に入れた)を押し付けプレゼントして観てきてもらいました。ちょうど母の日だったのでそのプレゼントという口実です。必殺「自分が行けないなら他人の感想を強請ろう」作戦。

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↑プレゼントと言いながら下心が透けて見えまくりなLINE

後日いそいそと電話をしたら、「なんかシェイクスピア、前回よりもはっちゃけてたんだけど」と言われました。

前回よりもはっちゃけてたって、ィヤッホーーーヒャッフゥゥゥゥウェェーーーイって感じなのか………?待って、それに対するギュウォンガリレオ超気になる………。

ちなみにガリレオに関しては「今回のガリレオも素敵だったけど、私は前回のガリレオの方が好みかも」と言われました。

2キャスト観ただけでも親子で好みが分かれているので尚更他のガリレオたちが気になります!が、これに関してはどうやらDVDの販売が予定されているようなのでそれを楽しみに生きていこうと思います(買えるかどうかは別問題)

せっなくなので超優しい母が送ってくれたカテコ動画を貼っちゃいます。画質が悪くてすみません(お前が言うな)

なんか楽しそう(^ω^)

結論▶︎余計このペアが気になっただけだった

 

 

〈おまけ2〉

上に「殆ど知らない俳優さんばかり」などと書いたんですが、驚きの事実が発覚しました。

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まさかの……

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観てた(^ω^)

 

先日アップしたキャッスルの感想ですが、案の定間違いだらけだったことが発覚したので一旦非公開にしております。読んでくださった方には申し訳ないのですが、あれは信じないでください。出来れば訂正して再アップしたいとは思っていますが、少し厳しいかもしれないのでこちらにてお知らせさせていただきます。ご指摘くださった方ありがとうございました!

 

 

ミュージカル「ストーリー・オブ・マイ・ライフ(스토리 오브 마이 라이프)

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気がついたら足を取られていました。

日本でも公演の決まったミュージカル「ストーリー・オブ・マイ・ライフ」

初韓国の友人と一緒だったので観劇を詰め込まず観光もしようね!という予定だったのですが、メンバーが私(オタク)と友人(オタク)の2人のため当日になって「せっかくマチソワキャスト違うし2回観た方が理解深まる気がしない?」となり、初っ端から予定外のマチソワ観劇が決行されました。仁寺洞の観光はいつでもできるけどその日の公演はその日しか観られないのだから仕方がない。

今回の旅はエリザ大好きな友人をうまく丸めこんで来てもらったエリザベートがメインの遠征で、ぶっちゃけこちらははおまけ(というか私から友人への「小劇場もいいぞ!」布教の一環)(決して私がゴリ押しした訳ではない)だったので友人が退屈しないか心配だったんですが、終盤は私を置いて友人の方が号泣してました。

布教大成功で嬉しい限りです。

 

と、ちんたら書いているうちに追いチケしちゃったので以下追記です。

12月の遠征では「友達も喜んでくれたし、面白かったな〜満足!」って感じだったんですが日が経つにつれ「ストーリーオブマイライフってもしかしてめちゃくちゃ切なくない……?」と気がつき(遅い)、居ても立っても居られず追いチケです。こんなことなら最初からマニアカード作っておけばよかった。

 

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【2018.12.16 マチネ】

トーマス:ソン・ウォングン

アルヴィン:イ・チャンヨン

 

まだSOML沼の深さを知らなかったこの時の私は「んじゃ、予習がてら軽く観ておこっか☆」というノリであらすじを流し読みしながら劇場へ、前方席は全て埋まっていたので二階席の端っこを購入。この時点でどんだけ軽い気持ちで行っているかが察されると思います。

初回の感想としては、まあ面白かったけど泣ける訳ではなかったな〜という感じ。ただ、チャンヨンさんとウォングンさんのペアがとても良かったのでソワレで観る本命(この場合友人と話し合いの結果事前に席を購入しておいたという意味)ペアが好きになれなかったらどうしようという謎の心配をしていました(笑)

トムの事が好きで好きで仕方がないことを胸にしまい込んでいるチャンヨンさんのアルヴィンと自信に溢れたウォングンさんのトム。チャンヨンさんが小柄で透き通った歌声なのに対し、The スパダリ(スーパーダーリンの略)なスタイルに低めで穏やかな歌声のウォングンさん。視覚的にも聴覚的にも私の好みドンピシャで、予習を疎かにしていた私は途中までガチでアルヴィンの片想い物語だと思っていました。

両手でトムの胸をぽんぽんとする姿とか(このぽんぽんとされるウォングントムの胸板がぶ厚いのがまた良い)、トムのお腹あたりにぎゅっと抱きつく仕草とか(可愛すぎて隣で友人がものすごい勢いでオペラグラスを上げてた)ビシバシ伝わってくる「好きだけど、言えない」感。

スリルミーやシラノでも思ったのですが、チャンヨンさんはそのキャラクターの情念が透けて見えるような演技が本当に素敵だなぁと思います。初回だったので細かいところまで観られなかったのですが、他アルヴィンに比べて喜怒哀楽がはっきりしている印象でした。

【お葬式潜入】

謎のステップを披露して潜入しにこにこするチャンヨンアルヴィンに、その上をいく華麗なステップを踏んで潜入するウォングントム。

【雪合戦】

一発目から雪玉をトムにクリーンヒットさせるアルヴィン。客席から沸き起こる歓声。

一瞬フリーズした後おもむろに紙を掻き集め固く丸め始めた(しかも特大)トムにアルヴィンも観客も「アッ……」となりました。そこから始まるトムの怒涛の復讐劇は凄まじかったです。

余談ですが、初めて韓国で観たミュージカルがこの2人のスリルミーだったので同じ劇場、同じキャストで違う作品を観ることになるのは個人的に感慨深いものがありました。


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【2018.12.16 ソワレ】

トーマス:カン・ピルソク

アルヴィン:チョン・ドンファ

 

直前に観た「自信に溢れた魅力的なトムと健気なアルヴィン」という組み合わせに胸を撃ち抜かれた私は無駄な心配をしていました。だって、ウォングンさんとピルソクさんって全然タイプが違うじゃん!ウォングンさんは「生まれた時からリチャード役でした」みたいな方ですけどピルソクさんはどうあがいてもネイサン役じゃないですか(突然のスリルミー)

小柄で華奢なドンファアルヴィンに小柄で華奢なピルソクトムという組み合わせに若干の不安を抱いていましたが、観劇後は友人と「やっっっば……」と語彙を失ったオタクの定型会話をしながら帰路につきました。

とりあえずこのペアの幼少時代演技は必見だと思います。可愛過ぎて死ぬ。

そして噂のピルソクさんのナビ!蝶が羽ばたくような柔らかな歌声と引き込まれ具合に「これがナビのプロか!」(ナビのプロとは)となりました。

【お葬式潜入】

おもむろに側転を組み込んでくるドンファアルヴィン。華麗に潜入しにこにことトムを見上げる笑顔が完全に悪魔の笑顔に見えたのは私だけじゃないはず。客席も「エッ、ピルソクさんに側転させるの……?エッ、まじ……?エッ、出来る?大丈夫……?(超失礼)」みたいな空気に。一方のピルソクトム、微笑を浮かべたままたっぷりトムを見つめた後ゆっくりとネクタイを緩め、袖口のボタンを外していました。袖口のボタンを外しながら呆れすぎて二回くらい笑いだしてた。

このネクタイを緩め、袖口のボタンを外す一連の動作、あまりにもどエロくて今だに私の頭の中で繰り返し再生されています。

ちなみにピルソクトムの側転はめちゃめちゃ綺麗に決まっていました。

【雪合戦】

部屋を出た瞬間容赦なく両手の紙の束をアルヴィンの顔に叩きつけてた以外は始終ほのぼのとした雪合戦でした。

マチネと比較してこれが正しい雪合戦の在り方なのだと理解した瞬間でもあります。

 

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【2019.01.16 マチネ】

トーマス:カン・ピルソク

アルヴィン:チョン・ドンファ

 

追いチケその一、前回観劇から丁度1ヶ月ぶりです。1ヶ月の間に、あらすじを詳しく調べたり、OSTを入手していくつか歌詞を訳したりと準備して、「もしかしてこの沼、物凄く深いのでは……?」と薄々気づき始めたころです。

この日はもともと観劇予定ではなかったのですが、公演4日前にあったキャスト変更のお知らせの直後からみるみるチケットが売れていくのを見て「え〜じゃあ買っとく?」となり(流されやすい性格)いそいそと追加しました。結果から言えば行ってて良かった。行っていなかったら今頃後悔してたと思います。まず、ピルソクトムのナビが神がかってる

前回の観劇では、ウォングントムのナビもピルソクトムのナビも全然違うけどどっちも素敵だなという感想(友人はウォングントム派)だったのですが、この回を観てピルソクトムのナビに全て持っていかれました。

ピルソクトムのオンステージ!ここに居る全員を自分のファンにして帰っていただきますという気概を感じる迫力。最初は蝶が羽ばたくように柔らかだったのが次第に力強さを増してきてどこまでも伸びる歌声に、気がついたら観ている側ものめり込んでしまう程でした。

基本小劇場作品(特に二人芝居もの)って曲終わりで拍手することってあまりないと思うんですが、この時は曲が終わった瞬間思わずという風に拍手されている方(恐らく初見っぽい方)が結構いらっしゃいました。一方で私も、私の両隣の方も両手を握りしめて微動だにしていませんでした(笑)

私に何がわかるんだという感じなんですが、12月に比べて格段に深みの増した公演になっていて帰りの(というかソワレの大学路に移動中の)電車の中で興奮しっぱなしでした。

【お葬式潜入】

馬なのか自転車なのか、なんだかよくわからないものに跨って潜入を試みるアルヴィン。ピルソクトムは恐らくバイク?に乗っていました。こんなコメディなピルソクさん初めて見たよ。

【雪合戦】

全く記憶にない(ダメダメ)

 

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【2019.01.19 ソワレ】

トーマス:チョ・ソンユン

アルヴィン:チョン・ウォニョン

 

土日は全く観劇予定を決めていなかったのですが、日に日にSOML沼の深さを実感した私は「ええいっ、こうなったら全キャスト観たろ!!」と父との食事の約束をブッチして(お父さんごめん)18時間ぶりのペガムへ向かいました。

これまた昨日ぶりのチケットボックスのお姉さんに空いてる席を訊くと全然席がない/(^o^)\なってこった!動揺して「ええっ〜〜」と言っていたら同情の眼差しを頂きました(笑)結局二階席の端っこを購入(本当にその辺しか空いていなかった)舞台全体をしっかり観ようと気を取り直しいそいそと座席に向かいました。(だけど結局座席に座って「ガチで遠いな……」と落ち込む)

ウォニョンさんのアルヴィンで1番びっくりしたのは"I Did't See Alvin"で前を向いたままボロボロと泣いていたことです。このシーン、にこにこと父との思い出を語るドンファアルヴィンばかり観ていたので意外すぎて思わずオペラでガン見してしまいました。

ソンユンさんのトムは普段抑えている分、感情が出る時の勢いが激しいトムでした。ガウンを取り返そうとするところとか"I Did't See Alvin"とか。しかし歌が上手い!お初の方だったのですが朗々とした歌声に始終ほえ〜っとなっていました。

ただ、結論から言うとこのペア私にはめちゃめちゃキツかったです。

前日の帰宅時「よぼ〜〜なわっそ〜〜!!!(某ロバで覚えた韓国語)」と超ハイテンションでドアを開けたのに対し、この日は「ガチャ(無言で帰宅)………あ、ただいま………」と帰宅して「昨日と同じ演目観たんだよね?」と父に聞かれる始末。

もちろん、この日の公演は素晴らしいものでした。

あくまで私の感じ方であり好みの話なんですけど、幼くて庇護欲を掻き立てるようなウォニョンアルヴィンと自分のことでいっぱいいっぱいになってしまっていた一般的な感覚を持つソンユントーマスの組み合わせって、なんていうか生々しくて観ていて辛くなってしまうんですよね……。救いようがないというか。

「何があってもトーマスが好き」というのが根底にありながらきちんと自己主張もするチャンヨンアルヴィンや笑顔の向こうで全てを受け入れているようなドンファアルヴィンだとソンユントーマスを受け止めてくれそうに思えますし逆に、自分の世界を生きるピルソクトーマスやカリスマ性のあるウォングントーマスであればただひたすら無垢にトーマスを愛するウォニョンアルヴィンを受け止めくれそうにも思えます(観てないけど)しかし、これがウォニョンアルヴィンとソンユントーマスになるとどうしても、共依存とか共倒れとかそういう言葉がチラついてしまうんです(※個人の感想です)

私はどちらかというと観劇に「綺麗な物語」を求めるタイプの人間なので、アルヴィンが無垢に愛して誇りに思っていたトーマスは(実際はそうでなくとも)彼の手の届かないところにあって欲しいと思ってしまう。手の届かないところにあったからこそ二人の間にすれ違いが起こってしまった物語であってほしいんです。

だけどこのペアはそうじゃないんですよね。トーマスはアルヴィンと同じ場所に立っていて、アルヴィンが傷つくとわかっていながら厳しい選択をしてしまう……。そこがどうしても受け入れられないのが、私がこのペアを「キツい」と感じてしまう理由なのかなと思いました。

そもそもこのペアはこの回しか観られなかったので私がうまく理解できていないだけのような気もするんですよね……。もう一度観られないのが悔しいです。

【お葬式潜入】

謎の三点倒立(?)をキメるウォニョンアルヴィン(超器用!)とアルヴィンの5ランク下くらいの三点倒立(?)をキメるソンユントーマス(可愛い)

単純にウォニョンさんめちゃめちゃ器用だなって思いました。あとアルヴィンのクオリティを下回るトーマス、何気に初めて見たんですけどこれはこれで可愛い。

【雪合戦】

もはや「合戦」と言うには首を傾げるレベルで和やかでした。出だしから紙の束を顔面に叩きつけたりしないし、相手を煽ったりしないし、復讐に燃えたりしない!!すごい!和やか!

 

 

一応全キャストは観ましたが、組み合わせの数だけSOMLの形があるんだろうなと思うと観られなかったペアに対する想いが募ります。あーん、時間とお金のあるオタクだったら全組み合わせを制覇してお気に入りペアをおかわりするのに!!!どうにか喪失感を紛らわそうとプレスコール動画を漁れば「ジョングアルヴィン……」ともはや戻れない過去に胸を焦がし始める始末です。

感傷に浸りつつ2公演分の感想も少しずつ書いているのでそのうちアップ出来ればと思っています。

 

ストーリーオブマイライフ キャスト別所感

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帰国してから3日(現時点)、もう今年のSOMLは観られないのか…という実感がじわじわと湧いてきて喪失感に苛まれる日々を送っております。これがSOMLロス……!

という事で、喪失感を紛らわすべく思い出語りをしていきます。

 

【キャスト別所感】

ピルソクトーマス

繊細で神経質で自分の世界を持っているタイプ。ただその世界にアルヴィンが含まれていることにトーマス自身は気づいてない。

幼少時代は今季SOMLキャスト最年長とは到底思えない可愛いさで萌え死ぬかと思うのに、後半怒涛の感情溢れる歌唱と演技に別の意味で死ぬ。

自分の世界基準で「仕方がなかった」と思っている為アルヴィンに対する罪悪感<<<自分の苦悩。しかしかなりの思い詰めっぷりが伝わってくる故に観客も「まあ、仕方がない……かもしれない」くらいには思わせられてしまうのがポイント。

そして"The butterfly"は必見。メルヘンな歌い出しから情景溢れる後半まで、まるで一編の物語を読んでいるような気持ちにさせられます(そもそもナビはそういう曲)トーマスのオンステージでありながらSOMLという物語の中の一曲として成り立っているのが本当に凄いと思いました。

 

ウォングントーマス

スーパーカリスマタイプのトーマス。ウォングントーマスの溢れる自信とカリスマ力故に「그녀는 유명 잡지사 기자 」の部分のイメージがどうしてもアナ・ウィ◯ター(間違っている自覚はある)

な割に雪合戦はガチ。

カリスマトーマス様なので基本罪悪感はない。アルヴィンとの電話を感情の見えない冷たい表情で切ったのには流石に「ひどいwww」となりました(でもそれが似合ってしまうウォングントム)

その分アルヴィンが死んでからの罪悪感が半端ないので物語の後半がゴリゴリ映えてきます。

ウォングントム、他トーマスと違い机に座らず軽く腰掛けて脚を伸ばすスタイルで「おっ、脚の長さの自慢か?!?!このあしながおじさんめ(^ω^ ≡ ^ω^)」みたいな気持ちになる(どうでもいい情報)

 

ソンユントーマス

一般人代表。他トーマスに比べて一般人に近いような気がします。アルヴィンとの約束を破る時も、お父さんの弔辞の時も"I Like It Here"でも心底申し訳なさそうだったのが印象的。そんなトーマスだったからこそアルヴィンからの期待に押し潰されてしまったのかなと考えさせられる。

そしてソンユントーマス、アルヴィンのガウンを取り返すシーンの勢いが半端ない。ピルソクトムもウォングントムも冷静に説得から試みるというのに全力でメンチを切りにいくスタイル。多分こういう場に慣れてないけどアルヴィンの為に必死だったんだろうなと勝手に思ってます。

 

ドンファアルヴィン

いつもにこにこして明るいけれど、笑顔の向こうに悲しみが透けて見えるのが切ないアルヴィン。とにかく可愛さ(物理)が全力で客を殴ってくる。両手でほおづえついたり、組んだ両手の上に頰をのせたり、トムの肩に後ろから顎をのせたりと女子も顔負けのあざとさなのに、その綺麗な笑顔は全部トムに向けられているのがまた最高。個人的にはナビのシーンでトムを見つめる、にこにこしているのに「泣いている…?」と思わせられる表情がツボです。

そして雪合戦が壊滅的に弱い。なんでドンファアルヴィンの玉はあんなひょろひょろ〜〜ふわっ☆って飛ぶんですか(泣)ウォングントムに全て直立不動で煽られている(そして全部外した)のを観て「ウォングントムに完全に舐められとるやんwww」ってなったあと、ピルソクトムにも同じように煽られているのを観て不憫すぎて泣きました。そんなまさかピルソクトーマスまで……(泣)

ドンファアルヴィンが雪合戦でトーマスに勝てる日は来るのか……既にマイ楽を終えた私に勝利の行方をどなたか教えてください。

 

チャンヨンアルヴィン

言葉にはしないけど、何があろうとトーマスのことが大好きという、根本に絶対的な好意が見えるアルヴィン。喜怒哀楽ははっきりしているけど、別れが辛かろうがトーマスのせいで悲しもうが「トーマスのことを嫌いになる」という選択肢はチャンヨンアルヴィンの中にはない。

あらすじさえろくに把握していなかった初回観劇時の1番の感想が、「ああ、アルヴィンはトムのことが好きで好きでどうしようもなくて橋から飛び降りたんだろうな」になるほどチャンヨンアルヴィンはトーマスのことが好きなように見えました。多分、チャンヨンアルヴィンは強くて賢すぎた故に、トーマスとの関係が決して昔のように戻れないことを悟ってあのような選択をしたのだと観劇を重ねた今でも思います。ここの解釈についてはまたゆっくり考えてまとめたいです。

 

ウォニョンアルヴィン

引っ込み思案で内気で三人の中で一番子供っぽいアルヴィン。子供っぽいというより幼い。 

何をしても庇護欲を掻き立てられる幼さで、SOMLという作品上、作中のアルヴィンはトーマスのから見えていたアルヴィンの姿なんだと考えるとあまりにも辛い。トムにとってアルヴィンは「自分がどうにかしてあげなきゃ、守ってあげなきゃ」と思わせる存在だったのかな…ってなっちゃうじゃないですか。あまりにも辛い。

"People Carry On"では迷子になった子供のように、"I Did't See Alvin"では前を向いたままぽろぽろと泣いているのを見て「トムはなんでこんな子を一人にしてるの??早く抱きしめてあげてよ!!!」と観ている側が思い始めるレベルでした。

 

 

【カーテンコール写真集】

なんと1回を除いて観劇した回全てがカーテンコールデーというミラクルを引き起こし、図らずともカーテンコールデーを渡り歩く女になってしまいました。撮れるなら撮っておこう(もったいない精神)で写真を撮ってみたものの見せる相手もおらず持て余してるので個人的ツボだったものをピックアップしていきまーす!!

 

皇室風お手振りピルソク先生。あまりのノーブルさに無事死亡。そしてそれを真似するドンファさん(可愛さの追い討ち)

 

SOMLっぽい一枚(SOMLっぽいとは)

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同じ設定で撮ってるはずなのに綺麗に撮れるドンファさんと白飛びするウォングンさん(なぜ!)

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こんなに可愛くて良いんですか賞

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死ぬほど萌えた(正直)ウォングンドンファペア。ウォングンさんの上着を掛けてあげる動作がスマート過ぎてこちらが動揺。

 

滑って転びそうになるドンファさんとピルソク先生の驚き顔(可愛い)

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個人的ベストショット

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可愛い

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このウォングントムの眼差しに全私が泣いた。

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予想以上に沼の深かったSOML。喪失感で胸がはり裂けそうですが来年には日本公演も決まっているということで逞しく生きていきたいと思います!!

しかも、大好きな田代さんと平方さんとの組み合わせ!やったー!!

友人と「これは万里生アルヴィンと平方トーマスや!」と言っていたらキャスト相互と聞いてぶったまげました。なにそれ凄い。

どっちのアルヴィンもどっちのトーマスも似合いそうなので今から楽しみです。とりあえず、今から日本版のCDが出ること祈っておこうと思います(気が早い)

 

 

 

 

 

ミュージカル「ファンレター(팬레터)」感想

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【2018.01.06 マチネ】

チョン・セフン:ムン・ソンイル
キム・ヘジン:キム・ジョング
ヒカル:チョ・ジスン
イ・ユン:ジョンミン
イ・テジュン:ヤン・スンリ
キム・スナム:イ・スンヒョン

 

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 【2018.01.06 ソワレ】

チョン・セフン:ムン・ソンイル
キム・ヘジン:キム・ジョング
ヒカル:チョ・ジスン
イ・ユン:ジョンミン
イ・テジュン:ヤン・スンリ
キム・スナム:イ・スンヒョン

 

 

観劇後、「ヤバい」「無理」「エモい」以外の語彙を根こそぎ奪っていくミュージカル「ファンレター」(そもそも私の語彙力が無いだけの可能性については目を瞑る)

出だしから頭の悪い文章でごめんなさい。

こちら、インターパーク氏掲載の作品紹介&あらすじも、チケットサイトや大学路のいたるところで目に入る作品ポスター&ビジュアル写真も、さらには開演前の劇場ロビーの雰囲気さえ「家族で行くのもよし、恋人とデートで行くのもよし」みたいな空気がムンムンなのに、いざ観劇してみると「お、お、お????」と心が前のめりになります。ばっちり裏切られます。

キャパ200〜400程度の劇場だったら間違いなく客の大半がお姉様方で占められて、あの独特の空気がロビーに漂ってそう(偏見)みんな顔見知りと喋りながらマニアカードをパタパタさせているあの空気感。

一言で言ってしまいますと、これ、全オタクが好きなやつです。

大切なことなのでもう一度言いますね。

全オタクが好きなやつ。

家族で観てもカップルで観てももちろん楽しめる作品でありながら、全力でオタク心をくすぐってくる。

ちょろいオタクの私は放心状態で劇場を出た後、涙が乾くまで大学路を徘徊し(泣きながら劇場を出た)東崇アートセンターから遠い方のスタバでひたすらツイッターに「ヤバい」「無理」「エモい」と書き連ねることになりました。(なお、どうせソワレも号泣すると判断し化粧直しは早々に断念)

 

ということで、今回は始終こんな感じのキモオタ丸出し感想文になります。

真面目に(当社比)書こうとしていたんですが、この衝撃と感動と素晴らしさを文にするには私の語彙がお粗末すぎました。いくら素晴らしい文を書く彼らの姿を観ても私の文章力が上がるわけではなかったようです(当然)

こんな感想文でも許容できる方は読み進めていただけると嬉しいです。

 

 【あらすじ】

舞台は1930年代の京城

作家キム・ヘジンが、心中した恋人へ宛てた最後の手紙とその恋人と共に書いていたとされる小説が公開される、そう聞いたセフンは真相を確かめるべく留置所のイ・ユンを訪ねるところから物語は始まります。

キム・ヘジンの友人であったユンは、やって来たセフンに「手紙が見たければあの時の真実を話せ」と迫るのです。

本当にキム・ヘジンは恋人と心中したのか。

共に書いていたという小説は実在するのか。

最後の手紙には何が書かれているのか。

そしてその恋人の正体とは。

セフンの告白と共に当時が振り返られるかたちで物語は進みます。

 

【感想】

※7割程度のネタバレを含みます。ご注意ください。

作家志望の青年の成長物語と聞いていたはずが、開演早々ミステリ風味満載です。

恋人と心中したと言われている作家キム・ヘジン。

何かを知っている様子のヘジンの友人、イ・ユン。

ヘジンが残した恋人への最後の手紙を「自分は読まなきゃいけない」と訴えるセフン。

この謎がセフンの告白と共に少しずつ明らかになっていく構成にみるみる引き込まれます。

何よりこちらの作品、下手モニターに日本語と中国語の字幕を表示してくれるというありがたさ。私の語学力がお粗末故に予習前提での観劇をせざるを得ない中、久しぶりに展開にハラハラしながらの観劇ができました(そしてめちゃめちゃ泣いた)

 

「秘密と想像が出会ったモダン・ファクション・ミュージカル」
インターパーク先生の作品紹介欄を覗きにいったところ、こう紹介されておりました。
なるほど。
確かに、きっちりと三つ揃いを着こなす作家先生たちや時代背景の空気はモダンです。実在する小説家や文人たちの集まりをモチーフにしている点はファクションですし、秘密と想像も出会っちゃってます。しかしこの作品の軸は、なによりもセフンとヘジン先生の間に描かれる関係性だなと観劇して感じました。
胸に抱いた悲しみと孤独を埋めるように愛を求めた2人が文を通して出会った時、行き着く先は何処なのか。その過程が美しい音楽と繊細な歌詞で紡がれたミュージカルでした。

 

[セフンとヘジン先生の繊細で危うい関係性]

この物語の軸であるのが、ひと言で言い表すことのできないセフンとヘジンの関係性でしょう。想像と秘密のうえに積み上げられた2人の関係性は純粋に相手を求めながらも、繊細で危ういものでした。

2人の関係が描かれる中でグッと心を掴まれるのが、まず1幕のひたすら純粋に天才作家であるヘジン先生に想いを募らせるセフンの姿。
ヘジン先生に焦がれるセフンの切ない眼差しにきゅんきゅんさせられます。

家族に追いやられるように日本に留学させられていたセフン。そんなセフンの心を慰める唯一の存在が作家キム・ヘジンの文章でした。ヘジンの書く文章に孤独な心を救われたセフンは「ヒカル」というペンネームでファンレターを書くことに。

一方のヘジン先生も、「ヒカル」という名前で送られてくるファンレターに心を救われます。誰も気づくことのなかった悲しみを唯一理解してくれたのが手紙の主である「ヒカル」さんだったのです。

こうしてセフンとヘジン先生は手紙を通じ心を通わせ、互いの手紙を心の支えにするようになります。

その後朝鮮に戻ったセフンはヘジン先生のいる文人の集まり、7人会の事務所で小間使いとして働くことになるのですが‥‥‥‥。

憧れだったあの人がこんなにも近くに!と胸を震わせるセフンがとにかく可愛い。

ヘジン先生を盗み見ては幸せを噛みしめるように両手をにぎりしめるセフンの姿はひたすらに可愛くて、会場中のオタクの共感と乙女の心を掻っ攫っていきます。
このシーン、私の語彙力ではその可愛さの1%もお伝えできないので、動画をお借りして字幕をつけてみました。


뮤지컬 '팬레터' 눈물이 나 【日本語字幕】

先生の為ならなんだって出来ると言っちゃうセフンの初々しさと健気さ。仕草ひとつひとつ、歌詞の一言一言が喜びとときめきに溢れていてきゅんきゅんします。

「僕が見ているのも知らないその顔に かかった陽射しの一片」

なんて、いじらしさと先生に憧れる気持ちがぎゅっと詰め込まれた歌詞、本当に先生のことが好きじゃなきゃ出てこないよね!とうんうん頷くしかありません。

セフン役の俳優さんの演技も素晴らしく、グッとセフンに感情移入してしまいます。

 

 で、一方のヘジン先生ですが


뮤지컬 '팬레터' 그녀를 만나면 MV

すっかり手紙の主であるヒカルさんに夢中に。

セフンに負けず劣らず一途に、純粋に、まだ見ぬ手紙の主に想いを寄せるヘジン先生。

にこにこと「結婚するかもしれない」とまで言うヘジン先生と言葉を失うセフン。そんなセフンに先生は冗談だと笑いますが、側から見ると全く冗談には見えないのがポイント。

そう、ヘジン先生が想いを寄せる手紙の主、ヒカルの正体はセフン。

ヒカルを女性だと誤解し、純粋でひたむきな愛を向けるヘジン先生を前にセフンは自分が手紙の主だと言い出せなくなってしまいます。

この作品を観劇して真っ先に思い出したのが夏に観た「シラノ」でした。
コンプレックス故に自分ではない名を騙って手紙を送る行為。確かに自分の綴った言葉は相手の心に届いているのに、手紙を送った相手が見つめる先に居るのは自分ではない悲しみ。

この辺りは「シラノ」に近いなあと。

しかし、「シラノ」と1番違うのは「誰も幸せになれない」という点でしょうか。

 セフンの書いた文はヘジン先生の心に届いていながらも、ヘジン先生の心にいるのは居もしない人物「ヒカルさん」

ヘジン先生に会うために朝鮮に戻り、家までもを捨てたセフンに待っていたのは、自分の書いた手紙を握りしめながらも決して自分に向けられていないヘジン先生の心。

悲しみを抱えた心を理解してくれる女性が虚像であることを知らないまま、ひたむきに愛を捧げるヘジン先生。

 どう足掻いても明るい展開が見えてこないこの状況、誰が1番辛いってたぶん観客です。

恍惚とした表情を浮かべ「ヒカルさん」への想いを語るヘジン先生の姿も、茫然と傷ついた眼でヘジン先生を見上げるセフンの姿も見ていられませんでした。

 結局セフンは先生を悲しませることはできないと、ヒカルをあたかも実在する人物のように作りあげ手紙のやり取りを続けます。ますます虚構の「ヒカルさん」にのめり込むヘジン先生と、ヘジン先生の心を意のままに操れることに次第に喜びをおぼえはじめるセフン。

一通の純粋なファンレターから始まった関係は、どこからか捻れ、それぞれが別の方向を向いたまま、ますます強くお互いを求めるようになっていきます。

作中で描かれる関係において、ヘジン先生がヒカルに向ける愛は、ただ女性に向ける一般的な愛の形とは少し違うんですよね‥‥。美しい文を書き、自分の心を理解してくれる彼女を、文を書く上でインスピレーションを与えてくれるミューズとして崇めながら求めている節があったと思います。そしてセフンも文を書く人間であり、その存在がどれほど大切か理解しているからそこヘジン先生の望む「ミューズ」像を完璧に創り上げてしまった。
だからこそ2人とも戻れないところまでこの愛の形に溺れていくことになったのかなと思いました。

 

[ヒカルという存在]

この作品の最大のポイントは間違いなく「ヒカル」という存在です。

ヒカルとはセフンが作り出した実在しない存在。家族からは冷たくあしらわれ、1人孤独を抱えていたセフンは自分とは違う「ヒカル」という存在を作り出します。

1幕では控えめなセフンとは対照的に、明るい笑みを浮かべセフンの手を引くヒカルの姿が印象的でした。セフンにとってのヒカルとは、自分の半身でありながら自分を引っ張っていってくれる存在だったんだろうなと。

初めてセフンがファンレターを書いている時のヒカルは、少年のような出で立ちで無邪気な笑顔を浮かべていましたが、次第に溌剌としたお嬢さんの姿に、終いには妖艶な笑みを浮かべる女性へと姿を変えていきます。

ヘジン先生がヒカルという存在にのめり込めばのめり込むほど利己的な一面を露わにするようになるヒカル。

私は「ヒカル」をセフンの隠された欲望の具現化でありながら、ヘジン先生とセフンが溺れた愛の形だとも思っています。

ヘジン先生が求めた愛に応えるようにセフンが作り上げた「ヒカル」は、それぞれの欲望を映し出すように姿を変えていき、気がつけばセフンの手さえも離れて行動を起こすようになります。

迫り来る死の恐怖から逃れるように、ヒカルの言葉を、存在を求め文を書くことに没頭していくヘジン先生。真実を言わなければと思いながらも、先生から与えられる温かな優しさを失うことを恐れ求められるままに返事を書いてしまうセフン。お互いの存在を求めていながらも、1つボタンを掛け違えてしまったばかりに2人は別々の方向を向いたままその愛の形に耽溺していきます。

側から見れば利己的でしかないヒカルの言葉にも2人が逆らわなかったのは、それが心の奥底では望んでいた事だったんだろうなと思いました。

しかし、ヘジン先生の命を削ってでも執筆に駆り立てるヒカルに、ついにセフンは声をあげます。ヒカルの言葉に導かれるように辿り着いた場所に居るヘジン先生は、セフンの愛した春のように暖かく眩しい先生ではありませんでした。「先生の目に僕は映っておらず、僕が愛した優しさをもう見つけることもできない」

そう気がついた時のセフンの絶望と後悔。そんなセフンを「この状況を望んだのは、私でありあなたなのよ」と笑うヒカル。

結局セフンは大切なものを捨てることを選びます。

自分を救い導いてくれた存在を、そして他人から向けられた初めての愛を。

何よりも大切で、ずっと求め続けたものを、セフンはヘジン先生の為に捨てる決意をします。

 

「さようなら 僕の光 僕の悪夢」

この言葉とともにセフンは自分の右手にペンを突き立てヒカルを消します。ポスターにも使われているこの台詞、セフンにとってのヒカルの存在がどのようなものだったのか一言で表されていて秀逸だなあといつ聞いても惚れ惚れさせられます。

「光」と日本語の「ヒカル」=「光」が掛けられているのも素敵です。
セフンの半身でありセフンを救う「光」でありながら、セフンを惑わせセフンの愛したヘジン先生を惑わせる「悪夢」でもあった「ヒカル」

ヘジン先生への想い故に、自分の半身さえも殺すことを選んだセフンの絞り出すようなこの台詞に胸が苦しくなりました。

 

「あなたは私がいなきゃ誰にも愛されないのよ」
セフンがヒカルを消した時、ヒカルが言い残したこの言葉。この言葉は、セフン自身がずっと自分にかけていた呪いのように感じました。

家族にさえ愛されることのなかったセフンが、やっと手に入れた愛。それですらセフン自身ではなく手紙を書く「ヒカル」に向けられていた。その時ますます「自分は誰にも愛されることはない」とセフンが強く思うようになったのは想像に難くありません。だからこそ愛される存在であったヒカルを消す時、この言葉が最後に出てきたのだろうと思います。

その後真実を話すもヘジン先生に拒絶されたセフンが、ヘジン先生に出会う前よりも更にこの呪いに雁字搦めにされたのではないか考えると何度思い出しても胸が苦しくなります。

ヘジン先生が亡くなった後、ユン先生に問われたセフンはヒカルのことをこう答えています。

「僕なら使えないような表現や考え方をあの子は淀みなく紡いだ。素直で自信に満ちていて‥‥‥愛されていたから」

セフンの抱えつづけている悲しみや後悔、そして絶望が滲むこの台詞。

この台詞を踏まえてのラストの救いのシーンには会場中が号泣するのも納得です。

 

[美しく繊細な歌詞]

今までミュージカルを観てきて、こんなにも歌詞に魅了されたのは初めてかもしれません。

特にそれぞれのキャラクターが心情を吐露する曲の歌詞は、繊細で詩的ありながらその心情が細やかに伝わってくるもので、惚れ惚れするほど美しかったです。

 もちろん字幕表示のおかげで、日本語でダイレクトに歌詞を受け取ることができたのも大きかったとは思いますが、それでもやっぱり綺麗な旋律とともに紡がれる歌詞は端的でありながら的確で美しくまとめられていました。

正直、こんなに繊細で切ない物語を詩的で美しい歌詞とメロディで彩ったミュージカルを母国語で観ることのできる方々が羨ましいです。

ミュージカルにおいて、歌詞で観客を魅了できるというのは、オリジナルミュージカルにおける最大の魅力ではないかなと考えさせられる作品でした。

 

[キャスト感想]

あらすじを調べるうちにどうしてもキャストを変えて観たくなり、ない枠をひねり出してなんとか2人のセフンを観ることができました。そもそもマチソワ続けての観劇だって避けたいタイプなんですが、2セフン観たいが為に生まれて初めて同演目マチソワしました。必死です。

マチネで観たスンウォンセフンとソワレで観たソンイルセフン、どちらもとっても素敵なセフンでした。だいたいキャストを変えて観ると「この役はこの俳優さんが好き」って好みが出てくると思うのですが、正直今回はどちらが好きなんて選べないほど両セフンとも好きです。

スンウォンセフンは「心のどこかでは、ヘジン先生が決して自分を見てくれることなどないし、ましてや愛してくれることなどないとわかっている」セフン。

ソンイルセフンは「心のどこかでは、ヘジン先生が自分を見てくれて、愛してくれると信じている」セフンのように見えました。

スンウォンセフンの控えめで自己表現が苦手そうな青年ぶりは、まさに等身大のセフンという感じ。先生の文章や優しさに触れた時に見せる控えめで照れたようなはにかみにきゅんきゅんさせられました。「눈물이 나」でヘジン先生の寝顔を覗き込んだ後、目を覚ました先生に慌ててソファで寝たフリをする姿がとっても可愛くて印象に残っています。「고백」では一転、縋り付かんばかりに「どうか僕を見てください」とヘジン先生に懇願する姿にセフンにとってヘジン先生の側に居ることがどれほど救いになっていたのかが伝わってきて切なかったです。

あと、スンウォンさんの歌声がとっても素敵でした。滑らかなのに芯のある歌声で、この声で歌われるといちいち説得力がすごかったです(語彙力)

ソワレで観たソンイルセフンは、仄暗い繊細さを漂わせる青年でした。優しく暖かい春の風でなければ折れてしまいそうな花のようで、1幕中盤からは「この子からヘジン先生の存在を奪ったら生きていけないんじゃないか」と思わせられるほど。

先生がいつか自分自身を見てくれることを願うかのように、いつも遠くから切ない目で先生を見つめている姿が印象的でした。

ヒカルを殺すときはポロポロと涙を流しながら手にペンを突き立てていて観ている方も辛かったです。

個人的にソンイルセフンで好きだったのが、先生に頭を撫でられる姿です。驚いたように首をすくめる反応が、初めて誰かに頭を撫でてもらったんだろうなと想像させられてもう‥‥‥。

そしてマチネソワレと続けて観たキム・ジョングさんのヘジン先生ですが‥‥‥。ジョングヘジン先生「今最も大学路で愛されている男TOP5」に間違いなくランクインしてるやつでした。誰もが認める天才作家でありながら控えめで、はにかむ姿は春風のようで、膝を揃えてちょこんと座る姿には可愛さを感じさせられるジョングヘジン先生。そうかと思えば、まだ見ぬ「ヒカルさん」を語るときは情熱的で。

ヒカルを一途に想い続ける純粋な愛が、少しずつ全てを賭けてでもヒカルと共にありたいと求める狂気へと変わっていく過程が見事でその姿にどんどん引き込まれていきました。

びっくりしたのが、ヘジン先生が優しく微笑むだけ(開演体感20分)で泣く人が出てくる会場。それも1人だけじゃないですからね‥‥。どれだけジョングヘジン先生が観客を魅了し観客に愛されているのかがわかります。ただ初見だとどこに泣きポイントがあるのかさっぱりわからないので正直怖いです(笑)マチネでそんな会場にひえ〜〜とドン引きしたくせに、ソワレでは私も早々に泣いていましたw 

 ソワレのジョングヘジン先生が(マチネ比で)絶好調で、特に「그녀를 만나면」は何度も見たMVの歌声まんまだ!!と1人興奮しちゃいました。あと、7人会のメンバーにヒカルからの手紙を奪われたヘジン先生が酔っ払ってむにゃむにゃしながら「あんで〜‥‥‥‥あんで〜‥‥」って言ってるのが可愛すぎて萌え死ぬかと思いました。

 同じ作品を複数回観るなら、何回も反芻して自分なりに考えて「じゃあ次はここに注目して観てみよう」って観劇に挑みたいタイプなんですが、今回はマチソワぶっ続けだったのでそれが全くできなかったのが心残りです。

ちなみに貴重なマチソワ間何をしていたかっていえば、ずっと余韻でめそめそしていました(真顔)

  

[演出]

この作品、脚本、音楽、歌詞、キャストと観劇中いたることろで心奪われていたのですが、演出もその1つです。観ていて「舞台だからこそできる演出」と言ったらいいんでしょうかそんな演出が多くて、それがまた作品の空気感にぴったりとはまっていてよりこの物語の魅力を深めていたように感じました。

 特に多用されていた影を使った演出は巧みだなと。「ヒカル」が生み出されるシーンでは、影の中から徐々にあらわになっていく姿に「架空の存在が形を持って現れた」ことがよくわかりゾクゾクしました。

 他にも獄中のユン先生に迫られセフンが過去を振り返り始めるシーン。この時、セフンがコートを脱ぎ捨て詰襟姿になる演出が素敵でした。一瞬にして時が戻る感じがたまらないです。
あとは1幕最後の「섬세한 팬레터」。次々と入れ替わりながらヘジン先生と歌うセフンとヒカル、相手が入れ替わっていることに気がつくことのないヘジン先生。

照明の使い方も幻想的で、その中で比喩的に表現される3人の関係性がとても美しいシーンでした。

 

[救いのラスト]

物語が進むにつれて(というより結構序盤から)、いやいやどうなっちゃうの〜〜どう足掻いても明るい未来が見えないぞ〜〜と叫びたくなってしまうこの作品。

どうなるかと思いきや、最後にはセフンを含め登場人物たち(と我々観客)の心を救い未来を切り開いていく展開になっていました(そしてこれでもかというほど泣かされる)

全体的に「救い」の印象が強い最後の数場面を思い返すと気になってくるのが、ヘジン先生の友人であったユン先生の存在。

友人として誰よりもヘジン先生を理解し、心配していたユン先生。2人の間の絆は、最後に書いた手紙をヘジン先生はユン先生に預けたところからもうかがえます。

最後にセフンを救いへと導いていくのはそんなユン先生です。

ヘジン先生の心を掴み狂わせた「ヒカル」の正体がセフンだと知りながら、「誰も僕を愛さない」という呪いに雁字搦めになっているセフンを(散々からかいながらも)救いだします。

最後の場面にきてやっと、1番最初に「手紙が読みたければ真実を話せ」と迫ったのは言葉通り真実が知りたかったのではなく、当時を振り返ることによってセフンの心を整理させ、そこから救い出そうとするユン先生の考えがあったんだろうなと気づかされるのも最高にニクい演出です。

ユン先生の懐の広さとヘジン先生とセフンへの温かい優しさ。次観劇の機会があればユン先生の立場に立ってじっくりと観劇したいと思わされました。きっと新たなファンレターの姿が見えてくるんじゃないかなと。

 

ところで、次の観劇の機会‥‥‥‥いつくるんでしょうか。これだけ人気のある作品なので早々に再再演があると信じて生きているんですが(笑)

衝動的に作った字幕動画がいくつかあるのでひとまず再再演に向けて友人知人各位に布教しまくりたいと思います。みんな観て!!わたしは!!語る相手が!!欲しい!!!!!

 

[カーテンコール]

カーテコールの撮影が可能だったのでいそいそと撮ってきました!

マチネ

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ソワレ

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 穏やかなヘジン先生っぷりのせいか、小柄な印象だったのにジョングさんが意外に身長が高くてびっくりしました。役者さんって凄い!

 

じゃんけんに勝ったのに先を譲るヘジン先生が可愛すぎるのが個人的お気に入りポイントです(笑)

 

 

 

「どうしてそんなに仲良しなの問題 」よぼしょ 余談

 

 

私の人生における観劇史に、ごりごりと太字でその名前が刻まれることになった「女神様が見ている」通称よぼしょ。

世間からの高評価っぷりに、「そんなに良いなら1度くらいは観ておこっかな☆」くらいの軽い気持ちで劇場に赴き、「本当に名作だった‥‥‥‥‥‥‥」と放心状態になりながら劇場をあとにすることになったのが先月の話です。

その時から気になって仕方なかった事が1つ。

そう、「ソックとジュファ、あなたたちはどうしてそんなに仲良しなの問題」です。(別に問題じゃないけど)

白状しますと、初回観劇時あらすじは把握しつつも登場人物はヨンボムとスンホしかわからない状態で観に行ったんです。

しかし冷え切った大学路の夜道、帰路につく私の頭にはこの2人のことでいっぱいでした。

いや、本当、ソックとジュファめっちゃ仲良しじゃん!!!!いつそんなに仲良くなったんだよ!!!

ヨンボムとスンホはわかります。2人の間に愛情や信頼が生まれる過程は劇中でばっちりこの目で観てきました。

チャンソプとドンヒョンもそうです。そもそも2人は最初から上官と部下という関係ですし、ドンヒョンの生真面目な部下っぷり、そしてみんな大好き「わかめ事件」で2人の間には絶対的な信頼関係がある事が察せられます。

しかし!!!しかしですよ!!!!!

ソックとジュファ!!!!!あなたたちはいつそんなに仲良くなったの!!!!

初見じゃ全然わからなかったよ!!!!!

という事で、1月の観劇ではソックとジュファの定点カメラになる心意気で(あくまで心意気)観劇してきたのでそのレポを書いていきたいと思います。レポというか、もう私が楽しいだけの萌え語り、自己満足です。

今までの観劇感想文がよそ行き度70%の文章だとしたら、今回はよそ行き度40%の文章です。(最早よそ行きとは言えない)

 

 

全くもってノーマークだったソックとジュファにすっかり心を奪われたうえ、きゅんきゅんさせられてしまった大きな要因は間違いなくこれ↓

カン・ソンウク氏のジュファが可愛すぎる。

北の兵士たちの中でも親しみやすい性格で、何かとスンホを気にかける優しいお兄さんという役回りのジュファですが、ソンウクジュファはなんていうかふわふわでぽわぽわ。

心配そうにスンホの元へ駆け寄る姿には「パタパタ」という擬音をつけたくなるようなふわふわ感だし、スンホを呼ぶ時の「すのや〜〜」って言い方は、心配な気持ちにちょっと困ったようなニュアンスが混じっていて、どこかぽわぽわ感が漂っていました。

更にはソンウクジュファ、地面にしゃがむときは絶対に両膝を抱えるんです。両膝を抱えたままチャンソプさんを見上げ、うんうんと話を聞く姿、これを可愛いと言わずになんと言うのか。

そして何といっても1番の魅力(と勝手に思っているの)が、照れたようにはにかむ表情だと思います。

はい、可愛い。

世界一可愛い。

もう下唇を噛んで目を逸らす仕草に100点満点中300点くらいあげたい。

 

 

そんな可愛いにもほどがあるソンウクジュファが、ご主人様(ヨンボムのこと)大好き!!はしゃぎたい盛りのテンションあがりすぎたわんこみたいな(どんな例えだ)デヒョンソックと一緒になると、それはもう、2匹の犬がはしゃいでいるようにしか見えませんでした。

突拍子もない行動をとるデヒョンソックと「なにやってるの〜〜」という感じでにこにことそれに突っ込むソンウクジュファのふわふわ感。最終的に2人で「えへへ」と笑いあっていて完全に2人だけの世界。
ジャーマンシェパードゴールデンレトリバーの子犬2匹がお花畑できゃっきゃしていました(伝われ)

 

残念ながら初見であった為、ストーリーを追うだけで精一杯だったのと、2人が仲良しだと気づくのが遅かった故にこの組み合わせでは定点カメラにならなかったのが心残りです。

ゆるふわわんこ系コンビ、もっと観たかった‥‥‥‥‥‥。

 

一方もう1人のソック、カン・ギドゥンさんのソックと同じくソンウクジュファの組み合わせではしっかり2人の仲良しっぷりを観察できたので、個人的にきゅんきゅんしたシーンを書いていきたいと思います!!!

 

まずお初のギドゥンソックなんですがこのソック、デヒョンソックとはまた違うタイプの変人。多分、思考回路が一般人とは違うタイプの変人。上官であるヨンボムでさえ時々ついていけてないw

そんなソックとも「(。・ω・)人(・ω・。)ねー」と、にこにこきゃっきゃしているジュファはある意味最強なのかもしれませんwww

 

[洗濯タイム]

2人1組になって洗濯物を絞るこのシーン。当然のようにペアを組むジュファとソックw

洗濯物の端と端を持って「せーのっ」と逆方向に捻ることで絞るんですけど、このシーンそれぞれのペアの個性が出てとっても楽しいシーンなんですよね!

隣では勢い余ってチャンソプさんにヨンボムが抱きついていましたが(そして嫌そうな顔でベリベリとヨンボムを剥がすチャンソプさんw)ジュファとソックはといえば、捻れすぎて至近距離になったまま「あれあれ?」と楽しそうに見つめあった後、何故かソックがちゅーしようとジュファに顔を近づけていましたwww

「やめてよ〜〜////」という感じでにこにこと抵抗するジュファ(しかし楽しそう)と調子に乗って迫るソック。完全に忘れ去られている洗濯物。

想像の斜め上をいく仲良しっぷりを見せつけられたシーンでした。

 

[わかめ事件]

みんなが採れたばかりのわかめを食べるシーン。

皆わかめの入った器を持って舞台袖から出てくるんですが、スンホにふざけてちょっかいかけ続けるソックを、後から来たジュファが問答無用で掴んで自分の隣に座らせていましたwww

そして、席を外したチャンソプの器に皆が自分のわかめを分けてあげた後なんですけど‥‥‥。

どうやらわかめを入れる時に指先を火傷したらしいソック。それを知ったジュファが慌てたように自分の隣に座らせて、その手を掴んで必死にふーふーしていたのが可愛すぎて泣くかと思いました。

大丈夫だからと、止めるソックとソックの制止に手を掴んだまま顔をあげるジュファ。しばらくそのまま見つめあった後、2人はハッとしたように手を離し視線を逸らしていました。そのまま照れたようにはにかむジュファ(上の動画参照)と少し困ったように笑うソック。

‥‥‥‥何これ。

いったい、私は何のミュージカルを観に来たんだっけと本気で思った瞬間でした。
手を掴んだまま見つめ合う2人の間に流れる空気がまたキュンキュンするような甘酸っぱさで。

こういうの、韓ドラで187268375回くらい観たことある(真顔)

多分、会場中が「いや、なんであなたたちそんな空気になってるのwww」って心の中で突っ込んだと思います。私は全力で突っ込んだ。

 

[膝枕!!!]

ヨンボムとチャンソプさんの熱い膝枕攻防が繰り広げられる横で、当然のように膝を差し出すソックと当然のようにその膝を枕にするジュファwww

にこにことソックの膝に頭を乗せた後、おさまりの良い場所を探して何度か体勢を変えるジュファから漂う圧倒的『慣れてる感』

「アッ、いつものことなんですね‥‥」と、こちらが察せざるを得ない『慣れてる感』

一方のソックは、ジュファがおさまりの良い場所を見つけるまで待った後、自分も枕代わりのヘルメットに頭を預けジュファの頭を撫でながら眠りについていました。

ジュファの頭を撫でながら眠りについていました。

ソンウクジュファって本人同様髪の毛もふわっふわだから撫でたくなるんですかね??

ギドゥンソックとソンウクジュファの組み合わせは想像の斜め上をいく距離感で、観ていて飽きません(笑)

 

[南軍襲来]

ヨンボムの呼んだ南の援軍が島に攻めて来るシーン。突然の襲撃に同様する兵士たちにヨンボムは自分が呼んだと告白するのですが‥‥。

ヨンボムが「みあねよ」と言った瞬間「なんで‥‥?」という顔でソックを振り返り見つめるジュファの姿が切ない‥‥‥。

いつもにこにこしていたジュファだからこそ、信じられないような気持ちと悲しみの入り混じった表情を浮かべてソックを見る姿に胸が苦しくなります。そしてそんなジュファに対して、目を逸らしやり切れない表情を浮かべるソック‥‥‥。

気の合う友人という関係を築いていた2人だからこそ、このシーンでのやり切れなさや切なさがより映えるなぁと思いました。

 

そしてその後の皆で南軍を追い払う場面ですが、ここ、それぞれの関係性がわかりやすく表されていて本当に好きです。

冷静に状況を窺うチャンソプとドンヒョンからは信頼し合う上官と部下という関係性。

怯えるスンホとそれを励ますように、勇気づけるようにその手を両手で包み込むヨンボムからは守るべき存在と頼れる存在という関係性。

そして怯えたように身を寄せ合うジュファとソックからは、まさに仲良しの友人同士という関係性が見てとれます。

私の観た回では、南軍が撤退したのを確認した後地面から起き上がったジュファが「そっくや〜〜;;」と真っ先にソックに抱きついていたのが可愛すぎました。

 

ソンウクジュファを観察していると、爆撃の衝撃で皆が地面に倒れた時も真っ先にソックを助け起こしたり、ソックに向かってにこにこしながら手招きし、並んで一緒にいたりしていたのでジュファにとってソックって気の合う大切な存在だったんだろうなと。結局、定点カメラになってみても何でこの2人がこんなに仲良しになったのかは相変わらずわからなかったんですけどね!!

 斜め上の行動をしてくるギドゥンソックとにこにことそれを受け入れちゃうソンウクジュファの天然っぷりが可愛くて、今回の観劇ですっかりお気に入りのコンビになってしまいました。

 心残りは上手の席が掴めなかった故に2人のお魚捕獲タイムが観られなかったことでしょうか。絶対、ふざけまくるソックとそれににこにこするジュファで碌にお魚捕獲できなかったに違いない。‥‥‥‥と勝手に妄想しては観られなかった悔しさにハンカチを噛みしめています。

気になるよ〜〜〜〜〜〜。

 

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ミュージカル「ワンス・アポン・ア・タイム in 海雲台(원스어폰어타임인해운대)

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【2018.01.05 ソワレ】

ラ・チョン :ユン・ソホ

ユン・ヨンドク:ソン・ヨンミ

ガイド:キム・グッキ

ビン:アン・ドゥホ

 

 

最初に宣言しておきますと、今回のこの投稿、内容の8割くらいは嘘っぱちです。なんたってお粗末すぎる私の語学力での観劇なので!完全オリジナルミュージカルの初演に挑むには厳しすぎたようです(知ってた)2割は観たまま、残りは想像と妄想とその上に作り上げたストーリーの感想になります。

 

インターパーク先生のあらすじがこちら。

誰でもひとつくらい胸の中にしまっている、輝かしい青春時代の思い出。不安な、揺れ動く心を抱えた青春真っただ中の若者に突然訪れた恋。
「若さ」というたった一つの共通点だけで互いに心を開く2人の若者の姿をさわやかに、愉快に描くミュージカル「ワンス・アポン・ア・タイム・イン海雲台」。
古い引き出しから忘れていた思い出を取り出すように、山あり谷ありの人生を生きるそれぞれの大切な記憶をひもといていく。
1992年11月、清凉里発・海雲台行きの列車で知り合ったラチョンとヨンドクは突然の雨で一晩を共に過ごすことに。初めて見る海雲台の夜の海で日が昇るのを待つ二人に、見知らぬおばあさんと高校生が近づいてきて…。

 

このあらすじを読んだだけじゃ全く予習にならなくない?って思ったんですが、もうどうしようもないので清く諦めて観劇に挑みました。諦めは大事。

結果、細かい部分は分からずとも、久しぶりに次の展開が気になってドキドキしながら観ることができたのでこれはこれで良かったな〜と。

以下若干ネタバレありなのでお気をつけください。

 

 

ストーリーの予習は諦めたのですが、稽古場動画の「쿵쾅쿵쾅」だけは聴き込んでいきました。「胸がドキドキ!恋の予感♡」みたいな曲ですね(知らんけど)この曲とインターパークさんの情報を頼りに胸キュンハッピー恋愛ミュージカルと信じて劇場に赴きました。そう、胸キュンハッピー恋愛ミュージカルだと思っていたんです。結局騙された気持ちになって帰ってきましたけど。

今回の遠征、ヨボショ以外は恋愛を扱ったものを観る予定で、そのどれも気持ちの良いハッピーエンドで終わらないことはわかっていたのでせめて1演目くらいはハッピーなものを観ようとチョイスしたんですけどね!!!うーん‥‥。

作品としては、(私の語学力で理解できた限り)決してハッピーエンドではないけれど、胸に切なさと温かさを残してくれる素敵な作品でした。なんか同じようなことをヨボショ感想でも言っていた気がする。

 

舞台の造りは今までみたミュージカルの中で1番シンプルじゃないかなと。バックに映像が投影される演出がところどころありました。

以下重要な部分は伏せつつも、インターパーク先生よりは詳しい私の理解できた限りでの(重要)あらすじです。多分ちょいちょい嘘書いてます。

 

[あらすじ]

 時は1992年。学校新聞に載せる日の出の写真を撮るため江陵へ行こうと列車に乗ったチョン。歌手の夢に破れ、故郷に帰るヨンドク。2人は同じ座席のチケットを持っていたことから出会います。最初はチョンに対し素っ気ない態度だったヨンドクですが、新たに列車に乗ってきた兵士の登場により場の空気は一気にほぐれていきます。偶然にも3人とも同じ21歳だと判明し、更に縮まる距離。

途中の駅に着いた時、「自分にはもう必要ないから」と願いの叶う折り鶴が詰まった容器を兵士は2人に渡し列車を降りていきます。

そして終点の駅に着いた時、チョンはやっと自分が乗る列車を間違えたことに気がつきます。日の出の写真を撮らないと先輩に怒られると焦るチョンに、日の出なら海雲台からでも撮れると教えてあげるヨンドク。それなら良かったと海雲台に向かおうとするチョンですが、急に雨が酷くなりチョンとヨンドクは電話ボックスの中から出られなくなってしまいます。狭い電話ボックスで否応なく近づく2人の距離。雨音よりも大きく鳴る心臓の音に2人は恋の始まりを感じます。

やがて雨はやみ、電話ボックスを立ち去ろうとするヨンドクをチョンは「一緒に日の出を見に行かないかと」呼び止めます。こうして2人は一緒に海に向かうことになります。

海で日の出を待つチョンとヨンドク。そんな2人の前に現れたのは、見知らぬおばあさんと高校生の2人組。

実はこの2人、未来の2050年からやって来たタイムトラベラーだったのです。時間旅行ガイドであるおばあさんと祖父の願いを叶える為に過去へやって来たビン。チョンとヨンドクと別れた後もおばあさんとビンは遠くから日の出を待つ2人を見守り続けます。

一方日の出を待ちながらお互いの夢を語る2人。ソウルまで受けに行ったバンドのオーディションで一小節も歌えず逃げ出してしまったヨンドクは歌手の夢を諦めたと語ります。そんなヨンドクに優しく「歌ってよ」と言うチョン。日の出前の海雲台の海辺で歌うヨンドクに「僕が最初のファンになるから夢を諦めないで」とチョンは言います。

遂に日の出の時、チョンは念願の日の出の写真、そしてその光に照らされるヨンドクの姿も一緒にカメラに収めるのです。

別れの時、海雲台の駅に居る2人。照れるヨンドクと一緒に写真を撮ったチョンは、撮った写真をアルバムにして送るから連絡先を教えて欲しいとヨンドクに頼みます。しかしヨンドクは「今日のことは忘れた方が良い」と断るのです。

別れ際、チョンは行きの列車で貰った願いの叶う折り鶴の羽に自分のポケベルの連絡先を書き、必ず連絡して欲しいと告げてヨンドクに渡します。そうして列車は発車し、偶然によって出会った2人は別れることになります。

1人駅に残されたヨンドクはチョンの連絡先が書かれた折り鶴をしばらく見つめた後、それを置いてその場を立ち去ります。再びチョンに会えば、歌手になるという夢を諦められなくなることが恐かったのです。

こうして別れてしまった2人は再び会うことができるのか。

そしてビンの祖父の願いとはなんだったのか。

 

 

1度しか観られてないのと、私の語学力がお粗末な故に間違っている箇所があると思いますが、おおよそこんなお話だったと思います。

 

[感想]

どこかで読んだ制作サイドのインタビューでもおっしゃっていましたが、この作品お話自体は特に目新しいものではないんですよね。『列車で出会った男女が朝まで一緒に過ごす』というのは映画「恋人までの距離」を彷彿とさせますし、『初恋』という題材も既に某大学路の名作がありますし(映画しか観たことないけど)。

それでもこの作品を良いミュージカルだったな〜と思えるのは、どこか切なくて懐かしいメロディとキャスト陣の熱演だと思います。

 

まず音楽ですが、これが本当に良くて。作品の空気にぴったりとハマるメロディでとっても耳に残るんです。特に表題曲である「once upon a time」は今でも鼻歌で歌ってしまうほど素敵です。

あとは、観劇前にしっかり聴き込んでいった「쿵쾅쿵쾅」でしょうか。この曲、俳優さんの演技もあいまって、少し恥ずかしくなってしまうほどキュンキュンします。

 


뮤지컬 '원스어폰어타임 인 해운대' 연습 - 쿵쾅쿵쾅 (윤소호, 조가비)

ひとまず、再演とOSTの販売をお空に祈って生きていきたいと思いました。あと単純に、私のヒアリング力に限界があるので歌詞が知りたい。

 

そしてキャスト陣ですが、これがまた本当に良かった。特にユン・ソホさんとソン・ヨンミさんがまさに等身大なチョンとヨンドクでした。

私の知ってるソホさんって、足首チラ見せ財閥のボンボンルックで「めいどいん〜さむそんっっっっっ」って叫びながら宇宙と交信するボタンを押してる姿(地球を守れ)を夏に観たのみだったんですが、一気にイメージが塗り替えられました。

正直、トライアウト公演後追加されたチョン役のキャストを見て「とりあえず人気俳優入れとけばいいやってなんて事務所が思って‥‥(以下略)」なんてめちゃめちゃ失礼なことを思ってたんですがもう全力で謝罪したい。

はい、ソホチョン最高です。馬鹿みたいに可愛い。

多分、あの会場にいたリピーターの8割はゆるぽわ大学生のチョンが忘れられなくてやって来てると思うし、会場の8割はゆるぽわ(略)に心奪われて帰ってると思う。それくらいに可愛くて愛おしい21歳なんです、ソホチョンは!!!

オープニングの時点から、きらきらでぽわぽわのハッスルオーラだだ漏れだし、少しずつ露わになるあほの子っぷりには会場中の女性のハートが掻っ攫われる音が聞こえてきそうでした。

何故かメッチュ(コーラだったかもしれない)を振ってから開けてみたり(可愛い)、未来の物である底が光る靴に釘付けになっていたり(可愛い)、海に向かって「ぱだあんにょーーーん」と叫んでみたり(可愛い)、もうただただひたすら可愛いあほの子。

そもそも21歳にもなって、終点まで電車を乗り間違えたことに気がつかないところがもう可愛い。

というふうに、感想を書こうとしても「可愛い」以外の語彙力を奪われるレベルで可愛いんです。

 

そしてヨンドク役のソン・ヨンミさん。

公式が公開したデミョンの屋上(たぶん)で歌っている動画を観て一目惚れしたのですが、動画での姿と違わず、歌う姿がいきいきとした素敵なヨンドクでした。

前半の列車のシーンで、あほの子っぷりを遺憾なく発揮するチョンに対し絶対零度の視線を送る姿や、恋に胸をときめかせる姿、そしてソウルに帰るチョンを見送る時の切なさ溢れる姿がまさに等身大の女の子というリアルさで目が離せませんでした。

何より歌っている姿が本当に魅力的なんです。歌いはじめた瞬間いきいきと輝く表情、パワフルで透明感ある歌声。歌うことが大好きなんだと伝わってくるその姿に、チョンでなくとも惹かれてしまうと思います(笑)

 

〈Once Upon a Time〉というタイトルからも察せる通り、劇中には懐かしさを感じさせる要素がたくさん散りばめられていました。ポケベルやフィルムカメラ、あと外国人の私には分からないのですがトンイル号(KTX開通を機に廃止された列車)や指切りの仕方もそんな要素のひとつみたいです。劇中何回か指切りをするシーンが出てくるのですが、それがまた長い(笑)

小指を絡めて「指切り」、親指を合わせて「はんこ」。この辺までは私もドラマで見たことがあったんですが、劇中では更にコピーしてコーティングして‥‥‥‥ちょっと長すぎて忘れちゃったんですけどまあ色々やってました。あまりにも気になったので、帰り道一緒に観劇したオンニに聞いてみたところ「今?あんな指切りの仕方しないよwww」と鼻で笑われましたwww

 

そして今回の観劇で個人的に誤算だったのが、ちょいちょい泣かせにくるシーンがあったことです。「底抜けに明るい胸キュンハッピーミュージカルじゃなかったんかーーーーい!!!」(勝手に思い込んでただけ)ってなりました。席に座り開演を待っていたら、隣の席のお姉さんがティッシュを膝の上に用意し始めたあたりから予感はしていたんですけどね。

中盤でおばあさんとビン、そしてチョンとヨンドクの4人で海を眺めながら談笑するシーンがあるのですが、その時のビン役のアン・ドゥホさんの表情や仕草がとっても良くて‥‥。ドゥホビンの演技で、この辺りからもう泣きそうになってました(早い)

そして最後の演出がまた、美しくも切なさ溢れる素敵な演出なんです!!!!

ネタバレになってしまうので詳しくは言えませんが、周りも泣いている方がけっこういらっしゃってニクい演出だなあと思いました。

 

「誰でもひとつくらい胸の中にしまっている、輝かしい青春時代の思い出」

チョンとヨンドクのこの思い出が、タイムトラベルという手段で美しいままに蘇るからこそ、観ている側は自分の思い出と重ね、心を掴まれるのだろうなと思いました。あと、海雲台という観客にとって身近な地名が使われるからこそ自分の思い出とも重ねやすいんだろうなと。海雲台に行ったことのある誰もが、舞台を観ながら自分の見た海雲台の海を思い出していたと思います。現にオンニは「17歳の誕生日に海雲台に行ったことを思い出して楽しかった」と言っていました。

因みに私も、釜山旅行で食中毒になり観光する気力を失って、死んだ顔して海雲台の海を眺めていたことを思い出しました(全然美しい思い出じゃない)

 

完全オリジナルミュージカルの初演だし、人様の感想も聞かないしどうなんだろう〜と思っていたのですが、誰もが自分の胸の中にある「あの頃」を思い出させてくれる素敵なミュージカルでした。あとソホチョンがめちゃめちゃ可愛かったです(しつこい)

 

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